2/2山梨新報「しんぽう文芸」。山梨の句友、田辺義樹さん報。
【評より】捨てる物等無かった昔、今はゴミの山、複雑な気持ちが過る。
★羽広げ巣立ちの春へ夢を賭け 甲州 武井透江
★ウオーキング歳と距離とが反比例 甲府 小尾康弘
★アルバムの過去に見入って涙する 山梨 松田時子
★些細でも持てば張り合い余後の夢 市川三郷 岡部 登
★『ありがとう』素敵な言葉大好きだ 甲府 水橋 昭
◎歌壇 祢津達子選
★寒々と霜降る庭の黄梅の花のつぼみのふくらみ来たり 甲府 菊嶋清子
★思うように育たないのが子育てと二児の父なる息子に話す 甲州 山下栄子
★百舌の鳴き猫日向ぼっこの庭先に小草取りいる長閑なひと日 甲府 広瀬八千子
★「やばいよね」「ヤパイ・ヤバイ」の女子中学生の会話のやばさ 甲斐 江口靖子
★四世代揃いて迎える元旦の光りに向かい息災願う 甲斐 広瀬香子
★また逝った『谷村』の次ぎ『八代亜紀』今も大好き「昴」「舟唄」甲府 小尾康弘
★ぢぢ・ばばに孫から届く年賀状ありあり見ゆる下書きの跡 甲府 高瀬孝人
★寒い朝天気予報は今日も又雪がふるらし能登半島に 中央 前田良一
★大寒波に躊躇していたウオーキング窓に差しくる朝陽ではじめる 中央 志田末男
★ふと覚めて能登の惨事に思い馳せ眠れぬままに夜の明けるも 甲斐 大石保夫
★牙をむく自然の脅威におろおろとニュース映像見入る元日 大月 沢登かほる
★賀状来ず気にしてた友の便り夫君病むとに心の痛む 甲府 遠藤俊子
★唐突に地震と津波の襲い来て大きな被害言葉失う 笛吹 矢崎博子
◎俳壇 山田省吾選
★機織の音のしづもる女正月 都留 松沢節子
★朝まだき朝刊来たる厚氷 市川三郷 片田佐恵子
★たそがれの一朶の雲や寒鴉 甲府 中村 彰
★干し柿の匂ひ漂ふ友の便 富士吉田 樹 俊平
★北風に帽子傾く野の仏 甲州 水上優子
★賀状書く友の安否を知る術に 甲府 遠藤武文