1/21NHK短歌。題「ごめん」選者は吉川宏志さん、ゲストは脚本家の山田由梨さん(脚本家)、司会は尾崎世界観さん。
山田由梨さん=1992年1月1日東京都生まれ。作家、演出家、俳優。劇団「贅沢貧乏」主宰。子役としてデビューし、小学校2年生の時に帝国劇場で上演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』でリトル・コゼット役で出演。「表現に関わる仕事がしたい」と考え、東京都立青山高等学校から立教大学現代心理学部映像身体学科に入学。大学では映画のゼミやサークルに所属し、ふと思いついた設定を一人芝居の台詞のように書きだし、演劇の形として公演。これが「贅沢貧乏」の第1回公演となった。現在、彼女の脚本による「作りたい女と食べたい女」がNHKで放送されている。
◎吉川宏志さんの時のテーマは「実感的 表現力アップ」、今回は「話し言葉を取り入れる」。
例歌↓
◎入選歌
★ごめんねの重さで降ってくる雪を全身で受ける一月の帰路 北海道札幌市 君村 類
↑特選ニ席。
★日に何度ごめんと言いしあの頃か職場に夫に保育所に吾子に 東京都渋谷区 吉村享子
↑特選一席。
★どうせまた絵文字みたいに顔だけでごめんと言う彼を待つ駅前 東京都 伊佐山春奈
★午前/午後/ご飯/権藤/ございます/予測変換ごめんが遠い 神奈川県川崎市 佐藤美加
★ごめんねの力で捏ねるハンバーグ遊園地には連れてく、ぜったい 神奈川県川崎市 三浦直子
★ごめんまだ許せていないささくれた木のブロックを箱へともどす 和歌山県新宮市 小野小乃々
★ごめんねと言えずに父のさしくれる大きな傘に並びて帰る 徳島県徳島市 春野あおい
※特選三席は、5首目、6首目、7首目のいずれかだったと思います。
★大声も小声もいけない「ごめんね」はロウソク吹き消すくらいの息で 宮崎県宮崎市 野田由美
★「学校においでよ」なんて簡単に誘ってごめん 月は遠いな 長崎県長崎市 佐々木泰三
入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」3月号に掲載されます。現在募集中の吉川宏志さんへの投稿↓
◎入選まであと一歩
★亡夫(つま)の骨風に散らせば我(わが)肌に寄せ来て一瞬避けてる「ごめん」千葉県鎌ヶ谷市 桜井桂子
↓(添削)
◆夫の骨風に散らせばわが肌に寄せ来てごめん一瞬避けた
◎「表現の最前線」高安国世
★よくわかりましたわ今度こそと妻言へばこれ迄かと眼閉づ 高安国世
1913年(大阪)〜1984年。ドイツ文学者、翻訳家。京都大学教養部教授。定年退官後は関西学院大学、梅花女子大学教授。「塔」創設者。父は医師、母(やす子)はアララギの歌人。京都大学短歌会の顧問もつとめ、永田和宏や栗木京子を育てた。リアリズムに基礎を置きながらも、現実には存在しないものを表現の対象に求めるなど、常に新しい表現を求め続けた。歌集『真実』、『光の春』(第7回現代短歌大賞)。
◎「ことばのバトン」
この中から、初句の「打ち水に一瞬架かる虹だった」の作者、岡本真帆さんが印象に残っているものをチョイス。
「連句の大団円のような句。さて、ここからどのように繋げていくのかが大変興味深い」(岡本真帆さん)