1/22NHK俳句。題「寒卵」。選者は星野高士さん、ゲストは城田優さん、司会は武井壮さん。

城田優】1985年東京生まれ。本名はユウ・シロタ・フェルナンデス。父は放送作家の城田光男、母はスペイン人でリポーターのペピー・フェルナンデス。第23、28回読売演劇大賞優秀男優賞、第43回菊田一夫演劇賞、第65回文化庁芸術祭「演劇部門」新人賞、第6回岩谷時子賞・奨励賞など数々の賞を受賞している。星野高士さんとは家族ぐるみの付き合いで武井壮とも長い付き合い。

◎冒頭の俳句

★寒卵どの曲線もかへりくる   加藤楸邨

ちょっと読み解くのに難解な気がする句ですが、北大路翼さんが著書『加藤楸邨の百句』の中で次のように書いておられました。参考に記します。


〈「寒卵どの曲線もかへりくる」『まぼろしの鹿』昭和38年


始まりも終はりもない曲線の無限ループ。寒卵といふ生命をぐるぐる廻る曲線は、魂の輪廻の縮図だ。一語も無駄のない句姿は、寒卵を凝視に凝視し抜いた傑作だと思ふ。真の写生といふものは、一瞬を捉へつつも、そこから永遠に広がつていく強度を持ち得る。永遠を知らない僕らが、永遠に近づくには、瞬間、瞬間を大切にしていく他はない。最初から永遠を詠むことは誰にも出来ないだらう。〉


◎今日の「会いたい俳人、12人」は、この加藤楸邨さんでした。

他にもう一句、加藤楸邨の句が紹介されました。

★鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

    ※自分のことにしろ人のことにしろ、そういうことってありますね。


◎入選9句

★寒卵一膳めしの途中から  福岡県福岡市 高山國光

★炊きたてのどんぶり飯や寒卵   愛媛県西条市 岡部正彦

★幸福を逃さぬやうに寒卵   愛媛県新居浜市 岡部知之

          ↑武井壮さんの特選。

★寒玉子飯に落して野良仕事   愛知県みよし市 広瀬昭和

★寒卵ころがりもせぬ一人部屋   神奈川県寒川市 石原美枝子

        ↑星野さんの特選二席

★暗がりに女飲みほす寒卵   神奈川県茅ヶ崎市 土岐詳恵
★学校に遅れそう寒卵とく   神奈川県大和市 田中 亨          

        ↑城田優さんの特選。

★引越しの朝の匂いや寒卵   神奈川県大和市 露久保伸一

        ↑星野さんの特選一席

★寒卵割らんとしたるところかな  神奈川県横浜市 中山英夫

        ↑星野さんの特選三席


入選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」3月号に掲載されます。


現在募集中の、星野高士さんへの投稿↓

◎最後に城田優さんが、

〈役を演じる時は、精一杯、その役に合った話し方を心がけているが、やっぱりこれまでの自分の体験などを通して演じているような気がする。俳句もたぶんそういうところがあるのではないか、と思った。次回、この番組に出る時は、いい句を作って持って来れそうな気がする。〉


と言っていました。


◎番組で、もう一句、星野高士さんの俳句が紹介されました。

★行儀良く品よくごまめ並びをり   星野高士

◎再放送は、1月27日(金)午後2:35〜3:00。


※短歌は夜になります。