10/2NHK短歌。「短歌侍への道」。題「励ます」。選者は栗木京子さん。


◎冒頭の短歌

★弱音吐く人を励ますことできずただうなづきて駅にて別る 栗木京子

◎短歌レッスン① 歌の展開を意識する=結句が8割。


(例歌)

★メス置けば励ますことが救急の医師の仕事の八割である 犬養 楓

【犬養楓(いぬかいかえで)さん】18歳より短歌を始める。現在、救急科専門医として救命救急センターに勤務。第63回短歌研究新人賞候補。


(実践=視聴者のエピソードを短歌にする)

★心臓のえぐみを払うベース音私のために奏でて矢花 本髙克樹

 ※栗木京子さん「直しなし」。

★「ゲンゲン」と叫ぶベースに鼓舞された帰り道では鈴虫が歌う 矢花 黎

 ↓(栗木京子さんの添削)

★「ゲンゲン」と叫ぶベースに鼓舞された帰り道には鈴虫の声

★全身を貫くようなベース音言葉じゃないから励まされている 小沢一敬

 ↓(添削)

★全身を貫くようなベース音言葉じゃないから励まされてる

◎入選6首

★アメ玉と共に置かれたメモ書きのパンダが笑う私も笑う 愛知県一宮市 山田麻記子

★後輩が先に昇進した妻をいつもの味噌汁煮立たせて待つ 富山県富山市 岩間健太

★励ましてくれるのもまた山だった数多星降る涸沢カール 神奈川県横浜市 三玉一郎

★「さあみんなしまっていこう」キャプテンの声うら返り円陣ゆるむ 東京都品川区 あまりりす

★留年が決まったぼくにすり寄って励ますようにふれる肉球 東京都杉並区 嶋村 純

★(一席)キッチンに1mmの蜘蛛ひかりつつぶら下がりをり「生きよ」と思ふ 東京都八王子市 石川泰平

入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」11月号に掲載されます。


◎短歌レッスン②実践(本髙克樹のエピソードを基に短歌を作る。ポイントは特に〈下の句の展開〉)

★手紙など書いて渡したことはない「リラックス」とただメモしただけ 小沢一敬 

 ↓(添削)

★手紙など息子に渡したことはない「リラックス」とただメモしただけ

★一通の父の不慣れな「頑張れ」を糧に解答用紙を捲る 矢花 黎

 ↓(添削)

父からの初メッセージ「頑張れ」を糧に解答用紙を捲る

★父からの励ます手紙机上からゆっくり落ちるあの日の受験も 本髙克樹

 ※直しなし。


◎栗木京子さんへの募集↓

◎10/30は、特別番組予告。

◎「短歌対決」

★鍵盤で震える子指に親指が「オクターブまであともう少し」 本髙克樹

 ↓(添削)

★鍵盤で震える子指に親指が「オクターブまでひと息」と言う

★靴音を泣きのギターでかき消せば明日の事を考えられる 矢花 黎

 ※直しなし。

★「頑張れ」や「あきらめないで」のタイムラインあの人のうった「あきらめさせない」 小沢一敬

 ※直しなし。


栗木さんの判定は、1位は小沢一敬さん、2位は矢花黎君、3位は本髙克樹君、でした。


◎再放送は、10月7日(金)午後2:10〜2:35。