8/12山梨新報「しんぽう文芸」
山梨の句友、田辺義樹さんが送信してくれました。
※松田健嗣さんは田辺さんのお義兄さんで、私も参加させていただいている「さつき野句会」の幹事さん。
◎俳壇 山田省吾選
【評】多分、山中湖で開催された報湖祭であろう。コロナ禍3年振りの開催であった。過去最大の2万発の色とりどりの大輪の花火が観衆を魅了した。十分堪能して人々が湖畔から去ると、湖は一気に闇が深まる。花火に感動した後、一抹の淋しさを覚えるのだ。
★洞窟の祠に供へある冷酒 富士吉田 青柳時子
★手花火の終わり淋しき路地の闇 甲斐 馬場鉄丸
※芭蕉の「おもしろうてやがて寂しき鵜舟哉」を思い出しますね。
★風鈴のかなでる音にいやされる 笛吹 佐野夏嶺 (小六年)
★涼しさや寺百畳の大広間 甲府 伊藤隆雄
★青田風海原のごと波を打つ 甲斐 田中修司
◎歌壇 祢津達子選
★夕闇のせまりて来る砂浜に流木を積み焚きいる親子 富士吉田 樹 俊平
★捕えきし蛍を放ち青蚊帳で寝むりし夏あり沓き記憶に 中央 前田良一
★田の稲も木の葉も風も薄みどり畦道を行く私も染まる 甲府 丸山洋子
★耳鳴りと蝉の鳴く声重なりて彼岸のかなたの歌に聞こえる 甲府 内藤勝人
★「山梨のここどこ」クイズにはまるドローンに乗りたい実景見たし 甲斐 松田健嗣
★初めての木彫りの人形下手なれど可愛さのあり愛しくもあり 富士吉田 田辺義樹
★ウクライナの若者哀し勤めやめ家族の為に兵に成るとか 富士吉田 萱沼勝由
◎柳壇 坂田よし江選
★(特選)終活がいつか集活始めてる 甲斐 松田健嗣