10/24「文芸選評」。兼題は「柿」選者は村上鞆彦さん。司会は石井かおるさん。(らじるのツイッターより。全部ではありません。石井かおるさん選も含みます)。

(昭和54年=1979年大分県生。平成10年「南風」入会。現在、南風主宰。句集『遅日の岸』(2015刊)にて第39回俳人協会新人賞)


▪️里からの箱開けてまず柿の色(愛知県 戸根由紀さん59)


▪️寝転んで見る求人誌柿すだれ(埼玉県 山本博章さん55)


▪️柿剥いて伯母の小言を叔母がとめ(東京都木野清瀬さん51)


▪️柿の皮漬物桶にくるくると(大阪府 上町の女さん75)


▪️かきのあな大きなたねが見えている(宮崎県 保郎さん6)


▪️かきくけこから覚えたる柿食む子(兵庫県 井上竜太さん31)


▪️エプロンに受け取る柿のうれしさよ(茨城県 宮川礼子さん75)


▪️柿どんと盛られてコインランドリー(兵庫県 田上勝清さん64)


▪️柿剥いてしばらく卓に日が残る(福島県 斎藤秀雄さん)


▪️剥き終えて月の出てゐし吊し柿(大阪府 吉田穰さん82)


▪️月光に照りつつ冷ゆる木守柿(石川県 樺輪椰子さん22)

※夜の木守柿を詠んだのは珍しいですね。


▪️吊し柿夕日コトンと落ちにけり(大阪府 有田みかんさん64)


▪️木守柿青空に朱ひとつ置く(兵庫県 阿曽宏之さん66)


▪️空晴れて淋しからずや木守柿(兵庫県 水越久哉さん82)


▪️種しかと妻の故郷の柿うまし(大阪府 小野伶さん75)


▪️柿日和子のランニングホームラン(東京都 藤色葉菜さん)


◎村上鞆彦さんイチオシ作品は、


柿剥いてしばらく卓に日が残る(福島県 斎藤秀雄さん)


でした。


◎私のイチオシは、


▪️柿日和子のランニングホームラン(東京都 藤色葉菜さん)


◎来週10月31日は短歌。テーマは「ラグビー」。選者は佐佐木頼綱さん。