10/18NHK俳句。選者は西村和子さん、ゲストは写真家の浅井慎平さん、司会は岸本葉子さん。題は「新酒」。

最近句集を出されたようです。

1ページに1句掲載だそうで、何と贅沢!

このページ「寂しいぞ放哉海も暮れ切って」ですね。私も以前、本歌取りで「咳をしても一人放哉南郷庵」という句を作ったことがありました。勿論どこにも出していないですけど。


◎冒頭の俳句

▪️又の名を海賊料理新走 西村和子


◎題「新酒」。当地のラジオ番組「俳句で語〜」(講師は永田桃花先生)の10/15の題も「新酒」でしたね。その時私も歳時記を作りました。

https://ameblo.jp/kawaokaameba/entry-12630963192.html

西村さんは《村の鎮守様に奉納したので「新酒」は秋の季語になった》とお話されていました。


◎入選9句

▪️新酒酌む悪商人と悪代官 鹿児島県鹿児島市 倉田 周

▪️新酒一舐め薀蓄を一齣(くさり)福岡県大野城市 佐竹白吟

※「一齣(ひとくさり)」がいいですね。この句、西村さんの特選三席でした。岸本葉子さんも特選に押しました。

▪️船卸みよに撒き新(んしゅ)酒かな 山口県周南市 御江(みごう)恭子

※お〜、これはまた見事な「し」の踏韻です。新船の進水式の様子。「みよし」は船の先端部分。イチオシしたくなる句ですね。

▪️集ふこと叶はぬ年の新酒かな 兵庫県尼崎市 佐藤一夫

※浅井さんの特選。西村さんの特選一席私も特選(ニ席)。つい先日私の関係する句会で「楽しさを探す今年の秋の暮」という句が出されましたが、私をこの句をいただきました。今でしか詠めない句であり、また今でこそ詠まれてしかるべき句だと思ったからです。

▪️新酒酌む一番星を待ちきれず 神奈川県川崎市 久保田 聡

▪️あらばしり勢ひもつてつがれけり 東京都板橋区 鰐石 忍

※西村さんの特選ニ席私の特選三席。新酒の喜ばしい雰囲気がよく出てますね。

▪️新酒酌む薀蓄語るなどは野暮 千葉県四街道市 鮫島直昭

▪️新酒酌む沖の漁火窓に置き 福島県いわき市 中田 昇

※情景が浮かぶ句。私の特選一席。はは、嬉しいことに西村さんもこの句を特選一席に揚げました。「沖の漁火」の斡旋、そして「窓に置く」という表現が特にいいですね。

▪️新走り吾も酒豪の父に似て 岩手県盛岡市 佐々木テツ子

※私も以前「ハンカチはいつも丸まり父に似て」というのを作ったことがありました。下五の「父に似て」の是非がどうかという問題も無きにしもあらずですが。どうですかね?でもこの句、金子兜太さんに「秀逸」にとっていただいたんですよ😄。句碑も一年間、福岡県の宮若に建ちました😄。

※上の入選句と佳作は「NHK俳句テキスト」12月号に掲載されます。なお次回の西村和子さんへの投稿は↓です。

もうNHK俳句の兼題も冬の季語に入ります😅。


◎西村さんの今年度のテーマは「ようこそ句会へ」。句会のその場で出される題「席題」の時どうするか、という話題になり、浅井さんが面白いことを言っていました。


《大体、兼題があった時にも自分はサボったりしててその句会の場で作ったりすることが多いのだが、なかなか出来ない時、自分は他の誰かになり切って詠む時がある》


ということでその例を紹介してくれました。

↑これは、芥川龍之介になったつもりで↓。

↑これは、久保田万太郎になったつもりで↓。

↑これは、岸本葉子さん。寅さんになったつもりで↓。

↑これは西村和子さん。清少納言になったつもりで↓。

※はは、面白いですね。私はあんまりそんなことはしたことはありませんが、何かの時に思い出してみよう、笑。


◎浅井さん、一句披露。

▪️振り向けば青き山河や新酒酌む 風太(浅井さんの俳号)


以上、今日のNHK俳句でした。