『俳句四季』1月号を読む(5)「俳壇トピックス」より。


○第56回現代俳句全国俳句大会(現代俳句協会主催。11/16)における、文化功労者を受賞された現俳協特別顧問の宇多喜代子さんの言葉。


《ただ好きで俳句を60年以上続けてきただけで面映いことだが、これも皆様のお陰だと思っている。》

○第3回新鋭俳句賞公開選考会(10/27)。

・正賞(該当なし)

・準賞 西生ゆかり「台所」

・準賞 木本隆行「纜」(ともづな)

(選考委員:藤本美和子・今井聖・高田正子・村上鞆彦の各氏)


○「風土」創刊60周年記念祝賀会(11/17)における、主宰・南うみを氏の挨拶。


《60周年は一人一人の力であり、南うみをの「風土」ではなくて、「風土」の南うみをだと思っている。写生とは表現技術であり、写生をするという態度が一番大事である。》

▪️秋日傘沖を見つめて動かざる うみを


○「天頂」創刊20周年記念祝賀会(11/24)における主宰・波戸岡旭氏の挨拶。


《俳句は自分の心を揺らすことと季語の衝突で出来る、自分を揺さぶり続けることが生きている証である。》

▪️身の影の軽くなりたる秋の水 旭


○俳人協会第26回俳句大賞。


【大賞】

一本の杭となりたる滝行者 杉本光祥

【準賞】

終戦忌人を柱にしてしまふ 池内雅一

五風十雨梅の実色を得つつあり 相川健

【プラチナ賞】

隠岐の牛島打つ雷にたぢろがず 南光翠峰


○本阿弥書店が毎年公募して選ばれる俳壇賞・歌壇賞。

【第34回俳壇賞】

石井清吾「水運ぶ船」昭和21年生まれ。「青垣」所属。

【第31回歌壇賞】

小山美由紀「知りつつ磨く」昭和62年生まれ。無所属。


※受賞作および選考結果は「俳壇」2月号に掲載される。授賞式は2/14、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷。


○「氷室」名誉主宰・金久美智子さん死去(10/29)。享年89歳。

▪️孤高とはくれなゐ深き冬の薔薇 美智子