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🌏朝日新聞俳壇新春選者詠
🌏稲畑汀子・金子兜太・長谷川櫂・大串章の各氏
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✏ちょっと遅くなりましたが、今日は朝日新聞俳壇の選者さんたちの新春詠を。

私は、新聞俳壇の日のページは、毎日新聞以外は、ほぼ入手できるようになってます。(毎日新聞を購読している人は少なく売店はやや遠い駅前までいかないとありません)。同僚が持って来てくれたり、宅配のお客様がとっておいてくれたり。ただし毎週の掲載日の分だけですので、それ以外の曜日、例えばこういう特別の日のはたまたまというわけです。
今日は朝日新聞の俳壇選者の新春詠を目にすることが出来ましたので、ちょっと遅いですが、掲載したいと思います。五十音順。敬称略。
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⭕初景色       稲畑汀子

★日日励む心抱きて去年今年

★明るくて少し淋しき初景色

★お互ひに触れぬ話題も初句会


⭕初旅         大串章

★初旅の山河に心委ねけり

★船宿に注連縄舟に輪注連縄

★初市の掛け声に波光りけり


⭕麺棒抱えて     金子兜太

★山国の開業医の父とんど焚く

★黄の玉の花梨大樹よふるさとなり

★麺棒抱えて嫁ぎし母よ夜長かな


⭕南スーダン     長谷川櫂

★殺すなかれ殺さるるなかれ薺打つ

★降る雪や奪はれても奪はれても福島

★佐保姫と朝寝するとは知らざらん


○それぞれの選者さんの特長のある詠口で、こうして並べて読むと面白いですね。
稲畑さんの、少し陰影があり気持ちのこもった句はあまり目にすることがないように思います。
大串さん、「初旅・注連飾り・初市」の季語をよく活かした句。
兜太さん、言い回し、やはり「海程」風と言うべきか。
長谷川さん、長谷川さんなりに個性的に工夫された句。

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🌏村上護著『けさの一句』1/14。
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★おむすびは心のかたち雪の国(成田千空)

<『けさの一句』での解説> にぎり飯の女房詞が<おむすび>である。漢字を当てると「御結び」だ。
昔、旅行などに携帯したのは乾飯、餉であった。焚いた米粒を握り、結び合わせたのが御結びである。これは食文化の一大革命。人類は結びの技法を修得してから、あらゆるものを変革したといえようか。その象徴の一つともいえる御結びは<心のかたち>なのである。下五の白い<雪の国>はおむすびの白に通う。(『けさの一句』より)

○上の解説では、「にぎり飯の女房詞が<おむすび>」と書いてありましたが、往時の日本人は<むすび>を「結び」と観念し、それに「御」を付けて<御結び」>と言った。そこに少しは触れてもらいたかったですね。
また「結び」とは、実は神道の概念で、「産霊・産巣日」とも書くとのこと。それに「御」を付ければ「御産霊・御産巣日」であります。ですから<おむすび>は、現代的意味での「人と人との交わり」を意味すると同時に、神の意味でもあります。
ここでは(掲句では)つまり、雪に閉ざされた雪国で、神でもある母の愛情がぎっしり詰まった<おむすび>をいただく、それは神の心、母の「心のかたち」。そういう風に観賞したいですね。(すえよし)

※成田千空さん↓
http://blogs.yahoo.co.jp/ajlf4921/14128817.html 
(ハンカチをいちまい干して静かな空。経歴、俳句のレポートをコメント欄に詳しく書いてます)

※明日(1/15)の「けさの一句」は、

★仏壇の兄はみどり児小豆粥(深見けん二)

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