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🌏村上護著「きょうの一句」より。12/6。
🌏葱洗ふ女やひとり暮残る(尾崎紅葉)
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🌏葱洗ふ女やひとり暮残る(尾崎紅葉)

※尾崎紅葉は俳句にはかなり熱心だったようです。村上さんも「紅葉は俳句にも熱心で、<一字をゆるがせにせず」><十日かけても句案ができない>こともあった。と書いている。」と書かれていました。

さて掲句ですが、「葱洗ふ女や」「ひとり暮残る」と、「葱洗ふ女」でいったん大きく切っていますね。よほど葱を洗っている㊛の人が印象深かったんでしょうね。そしてその後「ひとり暮残る」………。これが「葱洗ふ女がひとり暮残る」だと全体の風景が大きくクローズアップされます。勿論それでもいい句だと思います。
が、この句の場合「や」により「葱洗ふ女」、私の場合は㊛の人のやはり白い腕が浮かびますね。そして「ひとり暮残る」。なんとも言えない印象と抒情がある句ですね。

※村上さんが面白いことも書かれていましたよ、笑。

「久米の仙人が飛行中に衣を洗う若い女の脛を見て通力を失い墜落した話し。これが一句の背景にあって、日暮れの中に<女やひとり>とクローズアップしているのがおもしろい」。ホントかいな、と思いました、笑。

※尾崎紅葉=1867~1903。 江戸芝生まれ。小説家。紫吟社を結成。秋声会を興す。句集「紅葉山人俳句集」「紅葉句集」など。

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※明日(12/7)の「きょうの一句」は、

★鴨の鍋つついて余呉を身内にす(加古宗也)

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🔹11/30の「俳句大学ネット句会ブログ」にて、私の句

★障子閉むなべて物事紙一重

が、俳句大学学長永田満徳さんに特選していただいてたことをお伝えしましたが、

🔹もう1句、

★118.張り詰めてやさしきひかり白障子

が、参加者の方に特選をいただいていたようです。

【山中みきをさんの特選評】

★118.張り詰めてやさしきひかり白障子

もう正月準備ができてるのか・・うらやましいなあ。そして、その上、光をやさしいと感じる心の平穏もある。幸せである。

🔹なお、私が特選でいただいたのは、

★木守柿だけの出迎へ郷の駅

【川岡末好特選句評】

41番句「設へは詫び助一輪茶事の席」も俳味、侘び寂びがありとってもいい句だと思いましたが、「詫び助」の表記が違うように思いましたので残念ながら特選にはいただきませんでした。5句(並選)の中には入れさせていただきましたが。さて、59番句ですが、

久々に故郷に帰って来られたのでしょうね。そして駅のホームに下り立った。ホームには人影もなく最初に目に入ってきたのは一つだけ実が残された柿の木。もう冬に入り寒さもいよいよ増す頃。
本来「木守柿」にはいろいろな意味がありますが、そうでなくとも鄙びた田舎、侘びや寂び、また故郷を離れて生活している者にとっては大変懐かしく、愛しささえ感じるものではないでしょうか。
その柿の木が作者を出迎えたんですね~。「木守柿だけの出迎へ」、作者は誰にも告げず帰郷して来たのかもしれません。また「郷」とこの漢字を使われたのも何か作者がこの句に込めたかった気持ちがあるように思います。
さて、作者はこれからどうするつもりなのでしょうか?何の為に帰って来たのでしょうか?そういう感じさえ読む者に与えてくれる句だと思いました。そこに私も共感してしまったのでしょう。

※作者は、茂木ひさをさんでした。ワシントン在住の方です。

🔹当句会での最高得点句は、

★64 瞑想に耽けるライオン冬麗(村上ヤチ代さん。8点)

🔹私のあとの選句句は、

★41 設へは詫び助一輪茶事の席(呆菜さん)
★134 オーロラの満ち満ちてゆく霧氷林(井伊辰也さん)
★167 虎落笛俺はそこまで弱さうか(瓦すずめさん)
★195 少し羨(とも)し真砂女の恋路夕時雨(歌代美遥さん)

でした。

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昨日(12/5)西日本新聞「長崎文化」、特選(二席)いただきました~😄😄😄。西山常好先生選。

★田仕舞や母の十八番の皿踊り(佐世保、川岡末好)

<西山先生の句評>
田仕舞は、稲の収穫終了。慰労のため打ち上げをする。母は皿踊りが得意で、雰囲気を盛り上げる。農家の祝い。

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特選一席と三席は、

★もう子沢山といふべし実紫(雲仙、石田明子)

★解散の戦友会の濁り酒(佐世保、加茂宮宮江)

でした。

同じ句会の人もたくさん入選されてま~す😄😄😄。

★語らねば遠のく昭和吊し柿(佐世保、林筧水)

★忘年会ひとり降り立つ無人駅(佐世保、馬場定水)

★顔までもつけて探せる蓮根掘(佐世保、宮本巧)たくちゃん

★手を合わす犬の命日初しぐれ(佐世保、牛飼水鳥)

★子無き身の子らと遊べる一茶の忌(佐世保、鶴丸たか子)

★高齢の生き方講座小六月(佐世保、森千鶴子)

★時雨忌や旅の思ひ出読み返し(佐世保、山本雅子)

★整列の大根胸の白さかな(佐世保、宮本由美子)

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