『歴史古代豆知識』94・三世一身法さんぜいっしんほう養老7 (723) 年4月 17日,律令政府の発した田地開墾奨励法。自力で池溝を造り田地を開墾すれば,3世 (子,孫,曾孫) の間,また古くからの池溝を利用して田地を開墾すれば,その身1代の間は収公しないことを定めた法令。それまで6年で収公していたため期限が近づくと再び田地が荒廃していったのに対してとられた方策であるが,開発できるのは富有な貴族や社寺などに限られていたので,大土地所有者が出,さらに『墾田永世私財法』が出るに及んで,律令制は崩壊の道をたどることになった。