「京洛八社」菅大臣神社は、京都府京都市下京区にある神社(天満宮)。正式名称は「菅大臣社」(かんだいじん の やしろ)。通称、菅大臣天満宮(かんだいじん てんまんぐう)の名で知られる。菅公聖蹟二十五拝の第3番であり、洛陽天満宮二十五社順拝にも含まれる。社地は今から約1000年前、菅原道真公の紅・白梅殿という邸宅や、菅家廊下(かんけろうか)と称する学問所の跡で、また菅公生誕の地と伝えられ、境内には産湯の井戸が保存されている。仏光寺通を中心に南北二町、東西一町が当時の邸宅で、菅公が、大宰府へ左遷に当り「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」と詠んだ「飛梅の地」と伝えられる。神社は道真公の薨去の後、間もなく創建されたが、度々、兵火にさらされ、鎌倉期には南北両社に分かれ、当社を天神御所、北社を紅梅殿社と呼んでいた。応仁の乱後、慶長19年に菅家ゆかりの曼殊院宮良恕法親王(まんしゅいんのみや りょうじょほうしんのう)により再興され、今日に至っている。この間、天明の大火、元治の兵乱で再度焼失するが、現本殿は、天保6年(1835年)造立の三間社流造という下鴨神社の旧殿を、明治2年に移築し、その後幣殿を建立して、いわゆる八棟造をなしている。</span>