毎度の人口のお話で恐縮ですが、「日本創成会議」が58日に「ストップ少子化・地方元気戦略」 という提言書を出したんですが、その資料として注目を浴びたのが「消滅可能性都市」です。

 

 これは、地方から都市への人口移動がこの先も収束しないと仮定し、今後30年間で20歳から39歳までの女性が2040年に2010年の半分以下に減る自治体を、人口減が止まらない「消滅可能性都市」というものです。

 

 名指しされた自治体は、全体の49.8%です。広島県内では、30区市町のうち12区市町が「消滅可能性都市」とされました。廿日市市は、当然入ってないよね????

 

 なんと入ってます。人口10万人以上の県内都市では唯一「消滅可能性都市」です。これが、これまで私も何度も警鐘を鳴らしてきた廿日市市の現状です。大都市・広島市に隣接し、人口が吸収されるまちという現実です。

 

 推計の中身を申しあげましょう。廿日市市の20歳~39歳の女性人口は、2010年が13,526人、2040年では6,487人と52%も減少すると推計されています。一世代に換算すると、わずか320人しかいなくなるというわけです。人口は11万5千が約8万6千になるという推計です。要するに、子どもの出生数は減少するのですが、それに加えて人口流出が大きくなるということですね。

 

 これはあくまで、これまで通り人口の転出移動が続いたらという仮定ですので、何をやってもこうなるということではありませんが、何もしなければこうなる可能性も否定できないというものです。

 

 しかし、現状でも20代30代の人口流出は相当大きいです。人口流出には、様々な原因が考えられますが、若い人にとってそのまちに住む魅力がなくなるということです。それは、雇用の場が少なかったり、買い物・通勤に不便だったり、子育ての環境が整っていなかったり、ということです。それは、広島市の中心部近くに住むという選択肢との比較においてですから、同等であれば、より中心部近くに住みたくなるということでもあります。

 

 廿日市市が、旧廿日市市を中心に人口が過去増えてきたのは、人口の都市への集中のおこぼれが回ってきたとも言えます。全体の人口が減れば、都市中心部に人口が回帰していき、一番に人口が減っていく逆説もあり得るということです。広島市中心部に巨大マンションが、次々できていることも、このことを示しています。

 

 では、どうやっても人口減少は止まらないのか、消滅してしまうのか、というとそんなことはありません。これからがまちづくりの正念場です。しかし、どこにでもある大規模ショッピングセンターができたくらいでは、歯止めにはなりません。

 

 本当に若者が住みたい魅力あるまちになるためには、正規雇用の場の確保、子育て環境がどこよりも抜きんでて整っていること、若者が住むことを歓迎するオープンなまちであること、またファミリーで楽しめる場所や機会があること、なども必要だと思います。

 

 まちを作りかえるような意気込みで、行政も民間地域も取り組んでいかなければなりません。日本創成会議の予測は、新たなまちづくりをスタートするきっかけにしなければならないと思います。