ビートニク酒場

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お酒でも呑みながら、酒場で好き勝手に話すように書くブログ


待望のフランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)の東京のライブに行ってきました。彼らのステージは、単なる演奏を超えた、高い知性と確かな技術、そして観客を巻き込むエンターテイメント性が完璧に融合した空間でした。興奮冷めやらぬうちにレポートします。



 計算され尽くした「盛り上がり」の構造


今回のライブを通じて最も強く感じたのは、楽曲のアレンジにおける緻密さです。彼らの楽曲は元々キャッチーで耳馴染みの良いメロディが特徴ですが、ライブではその構造がさらに際立っていました。


複雑に構成されたリズムや、頻繁な転調が多用されているにもかかわらず、曲のクライマックスやカタルシスに至るまでの道のりが非常に明確なのです。凝ったアレンジが施されていながら、いつ、どこで、どのように盛り上がれば良いのかが観客に直感的に伝わる、まさに計算され尽くした構成でした。


そのため、一度もテンションが落ちることなく、ライブが終了するまで熱狂し続けることができました。



  確かな演奏技術と予測不可能な演出


フランツ・フェルディナンドの魅力は、その演奏能力の高さにあります。ライブでは一音たりとも揺るぎない確かなアンサンブルが展開され、そのサウンドの安定感が、観客を心から楽しませる土台となっています。


特に、中盤でのドラムの乱れ打ちのようなパートは、ライブならではの臨場感を最大限に引き出すものでした。 


一方で、ライブ全体を通して彼らはユーモラスで予測不可能な演出も忘れませんでした。特に印象的だったのは、スタンド席の観客に対し、曲中に唐突に全員着席を指示するという一幕です。一瞬会場に戸惑いが走りましたが、次の瞬間にはその状態からの解放と爆発的な盛り上がりを生み出すための、周到な仕掛けであったことに気づかされました。


観客の予想を良い意味で裏切り、会場全体を巻き込んで楽しませる、彼らのエンターテイナーとしての才能が光る瞬間でした。


 最後に


フランツ・フェルディナンドは、楽曲の質の高さ、卓越した演奏技術、そして観客とのコミュニケーションを大切にするエンターテイメント性、この三要素すべてを高いレベルで実現している稀有なバンドです。


あっという間に感じられたライブ時間は、彼らがなぜ長きにわたって世界中のファンを魅了し続けているのかを証明していました。まさに「完璧」という言葉が相応しいステージでした。