「煮えたぎるマグマ 噴煙をあげる火口 湧き出す温水 その熱はいのちを暖め 花を咲かせる熱となる」

 

 人は生きるなかで様々な葛藤を経験する。考えたことが思うように進まない苛立ち、不測の事態が起こったときに生じる動揺、対人関係の衝突から生じる苦悩。その全てが切実なものだ。

 

あなたはこのようなことを経験したことはあるだろうか。重要なテストで思うように点数がとれず、ギュッと手を握りしめた。人と気持ちがすれ違い、言いようのない重みと苦みが胸の中に広がった。それらは全て心の中に生じたマグマのようなもの。そのマグマはあなたの強い感情から生まれたもので、とてつもないエネルギーを秘めている。覚えておいて欲しいことは、そのマグマは決して悪いものではないということ。深呼吸をして、そっと受け止めてあげて欲しい。その熱はあなたを身体の芯から暖める熱源となる。大切なことは、そのマグマをしっかりと受け止めて、適切に扱うこと。

 

 あなたの内にあるマグマは、非常に強力なものだ。感情の制御がうまくいかなくなったり、思ってもない行動をとってしまうことがあるかもしれない。そんな時は、目を閉じてゆっくりと深呼吸をしよう。どれだけ時間をかけたってかまわない。大切なことは、マグマの熱に振り回されないこと。そのマグマはあなたの強い感情が作り出したもの。だが、それはあなたの全てではない。ゆっくりとその熱をどう使うのかを考えよう。言葉や行動で発散するのもいい。芸術作品を作るのもありだ。けれど、その行動があなた自身の在り方を、傷つけるようなものであってほしくはないと思う。

 

 マグマは周囲を焼き尽くす炎にもなれば、静かに揺れる花を、そっと暖める温泉を作り出すことも出来る。あなたはそのマグマを手にしている。悩んでもいいし、戸惑ってもかまわない。あなたの胸の中にある熱は、あなたの未来をそっと暖めてくれる。それがどのような感情から生まれたものであれ、その熱をどう使うかは、あなたが決めることができる。覚えておいて欲しいことは、そのマグマには色々な使い道があるということ。自分の周りを暖める熱として使うこともできるし、極寒の中で進み続けるエネルギーにもなる。マグマとはあなたが生み出した命のあつさ。どうか大切に使ってあげてほしい。

 

 感情という熱があふれるこの世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたがあなたとして生きている。それだけで、この世界の温度は確かに上昇する。あなたが生み出すマグマは、周囲の氷雪を溶かし、美しい花を育む熱となる。

「瞳から零れた一滴の雫 響く雨音 隠れた太陽 地面に落ちた熱い雫は、世界を静かに変えるでしょう」

 

 人は生きるなかで様々な涙と出会う。悲しい時にこぼれる涙、嬉しい時ににじむ涙、怒った時にあふれる涙、感動した時に湧き出す涙。その全てが人の心からこぼれた、熱い想いの結晶だ。あなたも経験したことがあるかもしれない。親しい人とはぐれ、ひとりぼっちになってしまった孤独さから、涙があふれた。逆境の中で必死に生きる人たちの強さに触れ、涙がにじんだ。喧噪の中、ふと窓の外を眺め、目の前に広がるあまりの世界の美しさに、涙がこぼれた。それは、あなたの心が動いた証だ。たとえ、瞳から涙を流せなくても心配しなくていい。涙とは、瞳から流れるものだけをさすのではない。心の中で静かに落ちる涙もある。大切なことは、その感情をしっかりと自分の中で受け止めてあげること。その涙は、あなたが懸命にこの世界を生きている証だ。どうか大切にしてあげて欲しい。

 

 涙は時に雨となって、この世界を震わせることがある。あなたはこのような経験をしたことはないだろうか。親しい人が悲しんでいる姿を見て、胸が締め付けられた。人が心の底から流した、うれし涙を見て、つい涙ぐんでしまった。なぜこのようなことが起きるのか。それは私たちが生きるこの世界が、一人ひとりの人間が持つ世界を包み込んでいるからだ。人が心の底から流す涙には、とても大きなエネルギーが込められている。外から見れば、ひとりの人間が流す小さなひとしずくかもしれない。でも、その涙の落ちる音は決して小さなものではない。小さな涙が、世界を震わせることもある。

 

 降りしきる雨に、太陽は隠されてしまうことがある。視界をさえぎる雨粒。激しく響く雨音。その中で、ふと不安になる──もしかしたら、自分はもう迷子になってしまったのではないかと。そんな時は、どうか落ち着いて欲しい。どれだけ激しい雨が降ろうとも、それはあなたの心の熱がつくりだしたものだ。ゆっくりと深呼吸をして、目を閉じよう。意識することは、その涙がどのような想いから生まれたものかを、一つひとつ明らかにすること。時間がかかってもいいし、休んだっていい。大切なことは、その雨粒の一つひとつに、あなたの感情が込められているということを知ること。

 

 あなたが感じる雨とは、あなたの心がこぼした熱い灯火だ。その熱には、あなたの世界を変える力が宿っている。地面に落ちた雨粒が、太陽の熱を受けて、みずみずしい緑の植物を育むように。あなたがこぼした熱いしずくは、この世界を静かに変えていく力となる。

 

 この雨音が鳴り響く世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。涙とは、あなたの心が震わせた熱そのもの。どうかあなたがその涙を大切にしてあげられますように。今日もあなたという灯火が世界に確かに灯っている。

「無限の広がりを持つこの世界 縮小する心 狭まる視野 それでも、人はまた世界を知るでしょう」

 

 この世界は果てしないほどの広がりを持っている。広大な街並み。尽きることのない学問。新しく生まれ続けるビジネス──そのすべてが、世界の広さを証明している。あなたも、このような経験をしたことはないだろうか。高い建物から景色を眺めたとき、目の前に広がったあまりの世界の広さに、はっと息をのんだ。出会う人全てが異なる価値観を持ち、違う人生を歩んでいる。ただその事実に、圧倒された。読んでも、見ても尽きることがない芸術作品の多さと、その奥行きに胸をうたれた。これらは全て、私たちが生きるこの世界の広さから生まれたものだ。そして、今も世界は広がり続けている。

 

 だが、あなたは同時にこのような経験をしたかもしれない。目の前を飛び交う記事やメッセージに含まれる、あまりにも多くの情報量とその感情に、思わず目がくらんでしまった。自分とは異なる価値観を持った人たちと交流するうちに、自分という存在がどのような価値観を持っていたのかを忘れてしまった。そんな時は目を閉じて、ゆっくりと深呼吸をして欲しい。そうすることで、少し心が静かになる。

 

 ではなぜこのようなことが起こるのか。それは世界が拡大するスピードに、人の心が追いつけていないからだ。もしあなたが、そのことで悩んでいたら落ち着いて欲しい。あなたは世界に置いていかれたわけではない。人にはそれぞれ歩く速度がある。走る人もいれば、早歩きの人もいて、ゆっくりと歩く人もいる。その速度は常に一定ではない。たとえ、歩く速度が落ちたり、立ち止まったりしても、それは、あなたが新たな視点で世界を見る機会を得たということ。新たな世界を見るには、時に速度を落とす必要もある。

 

 人は走る速度によって、見えている世界がそれぞれ異なる。あなたは自転車や車に乗ったことはあるだろうか。止まっている時は、自分やその周囲をゆっくりと観察することができる。歩くと、止まっていた時より、じっくりと観察することはできないが、見える景色は広がる。自転車に乗ると、更に速度が上がって遠くまで行けるようになるが、乗っている間は前と斜めしか見えない。車に乗るとほとんどの場所に行けるようになる。だが、風景は一瞬で過ぎ去り、じっくりと何かを見ることが難しくなる。これは、どれが良くて、どれが悪いかという話ではない。この全ての速度が、あなたの人生を、あなたの世界を広げてくれる。不安になってもいいし、心配してもいい。でも、そんな自分をそっと抱きしめてあげてほしい。

 

 この無限に広がる広大な世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたの歩いているその速度は、あなたが真剣にこの世界を生きている証だ。例え心が弱っても、見える範囲が変わってしまったとしても、あなたの輝きは変わっていない。あなたの生きる世界は狭まっていない。あなたの歩みは、この世界を広げる一歩 ── あなたが持つ灯火、それはこの世界を広げている光に他ならない。今日もあなたという灯火が世界に確かに灯っている。

「空にきらめく無数の星 視界に映る流れ星 色とりどりの輝きは、世界を鮮やかに灯すでしょう」

 

 私たちが生きるこの世界には、様々な色を持った人たちが暮らしている。人と心を通わせることが好きな人もいれば、黙々と自分を鍛えることが好きな人もいる。特定の分野を深く究める人もいれば、幅広い知識に触れて、組み合わせることを好む人もいる。それは、この世界がいかに広く、多様であるかを物語っている。

 

   あなたはこのような経験をしたことはないだろうか。自分ひとりでは上手くできなかったことを、他の人と一緒に取り組んでみたら、驚くほどすんなりと問題が解決した。眠れない夜、偶然耳にしたメロディーが、張りつめていた心の糸をそっと緩めた。それは、あなたという星が、他の星と触れ合ったということ。この世界には、人の数だけ星がまたたいている。その輝きも、広がりも、宿す色も、千差万別。そして、その数は今も増え続けている。

 

 ピンと来なくても、大丈夫。覚えておいて欲しいことは、世界には数え切れないほどの星が存在しているということ。強すぎる光は、時にあなたの目をくらませてしまうことがある。それは、昼間の空を見上げたとき、太陽のまぶしさに、他の星が見えなくなってしまうことと似ている。

 

   もし照りつける光で、疲れてしまったときは、ゆっくりと目を閉じて深呼吸をしよう。まず意識することは、あなたの内にある星を感じること。あなたという星は、夜の静けさにそっと灯る提灯のように、この世界に確かな色と明かりを添えている。それはどれだけ強い光のなかでも、決して消えることはない。昼に見えなかった星が夜に輝くように、星は今も、あなたのまわりで輝いている。その中に、あなたという星を震わせる光がきっとある。少しずつ目を慣らしていこう。あなたの心は、きっと美しい星を見つけることができる。

 

 あなたの目に映る以上に、この世界には多くの星が輝いている。きっとあなたが生涯をかけても、世界に輝く全ての星を目にすることはできないだろう。それほどまでに、この世界は広い。街を行きかう人々、次々と現れるビジネス、様々な色を宿した芸術作品、その全てがこの世界に輝く星だ。そして、その星はきっとあなたの世界を色鮮やかにしてくれる。

 

 無数の星が輝くこの世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたの生きる世界は、満天の星が輝いている。そして、この世界にとっては、あなたもそのかけがえのない星の一つ。どうかそのことを忘れないで。今日も夜空に、あなたという星が輝いている。それだけで、世界は少し美しくなる。

『輝く灯火 無数の世界 胸に抱いた真なる冠 その在り方は、世界に真を問うでしょう』

 

 私たちが生きるこの世界は競争に満ちている。人は常に生きる意味を模索し、競争という嵐の中に身を投じる。あなたも今、その中にいるかもしれない。雷鳴や暴風が吹くこの嵐の中では、どれほど頑強で凄まじい存在であっても膝をつくことがある。四方から押し寄せる轟音で方向を見失うこともある。その時は、どうか落ち着いて欲しい。

 

   大切なことは、その嵐とどう向き合うかを自分で定めること。距離をとってもいいし、その嵐をあなたが持つ剣で打ち払ってもいい。選択肢は常にあなたの手の中にある。それが難しく感じても心配はいらない。あなたの火は、あなたの中で燃え続けている。胸に手を当てて自分に問いかけて欲しい。人と語らい、作品と対話してみるのもありだ。重要なことは、何があなたの心に熱をもたらすのかを知ろうとすること。それが分かれば、あなたの中の火は燃え上がり、あなたの進む道を照らす光となる。

 

 大きなことを為そうとした時、一人の力だけでは届かない場所もある。それは人として当然のことで、世界を広げてくれる希望でもある。あなたが歩く道のりの中で、あなたは多くの人たちと出会う。笑い合い、喧嘩をし、道を違えることもあるかもしれない。だが、それはあなたが紡いできた確かな縁だ。その縁は、あなたの心に確かな土台を築く。人と関わるということは、世界を広げるということ。世界が広がれば、見えることも、出来ることも格段に増える。人と関わることが苦手でも心配しなくていい。何かを考えたり、作ったりするだけでも、あなたの世界は広がっていく。人ひとりがいるということは、世界がひとつ存在するということ。世界がひとつ存在するだけで、救われる未来はある。

 

 大勢の人たちと関わり、走るその道中であなたは沢山の在り方を見ることになる。在り方とは王冠のようなもの。全ての人が心の中に王冠を持っている。太陽のように輝く者、大海のような深さを持つ者、嵐を屈服させる者と出会うかもしれない。逆に嵐の中でうずくまってしまった者、道を見失い立ち尽くしてしまった者、自暴自棄に陥ってしまった者と出会うこともあるだろう。両者は全く違うものに見えるかもしれない。だが、同じ人間だ。人は強さも弱さも両方を持っている。太陽のように輝いていても、その陽が陰ることもある。嵐の中でうずくまってしまった人間が、立ち上がり、嵐を晴らすこともある。人は生きている限り、その在り方を自分で選ぶことができる。

 

 嵐の中で懸命に生きるあなたに敬意を。あなたが持つその冠は、他の人が持つことのできない唯一のもの。いつか、あなたは自分が生きる世界に答えを見出す日が来る。その時まで、どうかその冠を大切にしてあげて欲しい。願わくば、あなたの冠が、あなたを、あなたが生きる世界を温めてくれますように。今日もあなたという火が世界に確かに灯っている。

「世界に広がる暗闇 震える花々 灯される小さな火 どれだけか細い灯りでも、誰かの夜を照らすでしょう」

 

 人は遥か昔から闇と相対してきた。夜に広がる真っ暗な闇、人を蝕む病、戦争や貧困、天災と対立。夜の暗さは数え切れないほど多くの形をとって、私たちの前に現れる。

 

  あなたも経験したことがあるかもしれない。明るい部屋から出て、明かりのない夜道を歩いたときの心細さ。親しい人と喧嘩をして、心がすれ違ってしまった時に広がるじわじわとした胸の痛み。そのどれもが切実で、私たちの心に静かに影を落とす。

 

 夜の暗闇に呑まれ、呆然と立ち尽くしてしまうことがあるかもしれない。あまりの寒さと孤独さに身を震わせることもあるだろう。人はそれを弱さと言うかもしれないが、私は懸命にこの世界を生きている証だと思う。それは花が零した熱い灯火の欠片だ。

 

 暗闇は容易く人の視界をさえぎってしまう。そんな時は、どうか慌てないで欲しい。真っ暗に見えるような世界にも光は存在する。闇はあなたの周囲にある光全てを持ち去ってしまったかもしれない。だが、唯一持ち去ることが出来なかったものがある。それは、あなたの中にある光だ。

 

   そっと目を閉じて、胸に手を当て、深呼吸をしてみよう。意識することは、手のひらに感じる熱と自分の心臓の鼓動。ゆっくりと時間をかけて、自分の内にある熱を感じよう。あなたの灯火は、確かに、あなたの心臓の鼓動に合わせて脈打っている。

 

 人はこの小さな灯火を、夜の闇の中で懸命に震わせてきた。ある人は闇を照らす電球を発明し、またある人は、灯火たちを束ねて組織をつくり、世界に火を掲げた。暗闇の中、凍えながら作品を創った人もいれば、震える人にそっと寄り添って、熱を伝えた人もいる。その全てが世界に広がる闇をそっと照らした。

 

 一つ一つの灯りはとても小さなものかもしれない。世界に広がる闇は濃く、あなたをひるませることもあるだろう。その時は、どうかあなたの胸の中にある灯火を感じて欲しい。夜の暗闇に圧倒され、世界から光が失われてしまったように感じても、あなたの胸の中には確かな灯りが宿っている。それがどれだけおぼつかないものであっても、世界に灯る確かな光だ。『ない』と『ある』の間に天と地ほどのひらきがあるように、あなたがこの世界にいる、ただそれだけで世界の闇は少し後退する。

 

 人が繋いできた灯火の中で、懸命に生きるあなたに敬意を。どれだけの暗闇があなたの視界を遮ろうとも、あなたの胸の中には確かな灯りが灯っている。どうかそのことを忘れないで。静かな暗闇の中で、あなたが灯すその火が、この世界の夜をそっと照らす光となる。

「揺れ動く美の在り方 誰かの涙が零れる 内に流れる真なる美は、そっと涙をぬぐうでしょう」

 

 人が生きるこの世界では、大勢の人たちが日夜美の在り方について議論を行っている。あなたは経験したことがあるだろうか。雑誌で目にしたモデルに目を奪われ、これこそが真なる美だと確信する。だが、時間が経つにつれて、正反対の特徴を持つ人物に美しさを感じてしまった。そんな時、自分の美とはいったい何なのかと考え込んでしまうかもしれない。その反応はとても純粋で尊いものだ。悩むということは、真剣にその問いと向かい合っているということ。恥じたり否定的に考える必要はない。

 

 人は関わりの中で美を学んでいく。その行いはとても美しいものだ。だが、社会によって形作られる美の基準は、酷く不安定なものであると押さえておいて欲しい。国や時代が違えば、美の基準は変わる。この日本でも平安時代の美と現代の美では大きな違いがある。インターネットが登場した今では、更に早く美のトレンドは移り変わっていく。

 

   覚えておいて欲しいことは、他者評価における美という基準は人の数だけ存在するということ。そこに絶対の基準はない。もしあなたが、他者から見た自分の美について悩んでいるのであれば、どうか落ち着いて欲しい。あなたの抱えるその理由はとても切実なものだ。涙が零れたとしても、そっと自分を受け入れてあげて欲しい。誰かの視点で考えるということ。それは、誰にでも出来ることではない。あなたがそれを自然に行えるのは、きっと、あなたの中に――他者を受け入れる優しさがあるからだ。その優しさは、暗い夜空に灯る星のように、この世界にとっての灯りになる。

 

 世界は多様な美を求めている。私たちが生きるこの世界は、過去に生きた、今に生きる人たちの美を持ち寄って作ったものだ。その美には、当然あなたも含まれる。あなたが持つ唯一無二の美しさを世界は渇望している。

 

   自論ではあるが、美とは人の本質に宿った輝きのことを指すのだと思う。喜びや悲しみ、愛情や恐怖、あなたが経験してきた全ての感情が、あなたという美を作る。美とは外見だけを指すのではない。あなたの内面も、あなたの美に影響を与える。深呼吸をして、そっと目を閉じてみよう。あなたの心の中に、あなただけが持つ美の形が必ずある。見えなくてもどうか落ち着いて欲しい。大切なことは、自分の心が何を美しいと思うのかを見逃さないこと。ひとつ一つはほんの小さなささやきでも、集めれば揺るぎない柱となる。あなたがその柱を手にした時、揺るぎない美があなたの涙をそっと拭うだろう。その時は、必ず来る。

 

 揺れ動く美という在り方の中で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたの心には、揺るぎない美の原型が既に根付いている。どうかその輝きを、あなたが見つけてあげられますように。冬の寒さがまだ残る朝、窓辺に差し込むやわらかな光のように。あなたが持つ美の形は、春の陽だまりのように誰かの心を包む灯火となる。

「世界に満ちる言の葉 人の色彩を揺らし 世界の明暗を分ける あなたが発する言の葉は、あなたの世界を照らすでしょう」

 

 人が作るこの世界は言葉で満ちている。あなたも経験したことはないだろうか。日常的に使う挨拶、学校で読む教科書、ふと口ずさんでみたくなるようなフレーズ、その全てに言葉が使われている。なぜ言葉というものが、現代まで受け継がれてきたのか。それはひとえに、この世界で生きた人たちが、その言葉をあなたにつなごうとしたからだ。人は、生きた思いを言葉として託した。自分たちが作るその言葉が、未来に生きる人たちの灯りとなることを願って。言葉の数だけ人の想いがある。人の想いが言葉という形をとって、この世界を満たしている。

 

 人の想いの結晶である言葉は、人の心を大きく揺さぶる。あなたは「ありがとう!」や「大好き!」、「すごいヤツだ!」と言われてどのような感情を抱くだろうか。嬉しくなるかもしれないし、照れてしまうかもしれない。中には否定的な感情を抱く人もいるだろう。そのどれもが価値あるもので、この世界を彩る色彩の一部となる。ここで重要なことは、言葉という想いの結晶は、人の心という色彩にあまりにも簡単に触れてしまうということ。それはその言葉を使う人も例外ではない。言葉というものは、それに触れた全ての人たちの色彩を揺らす力を持っている。

 

 あなたの生きる日常はどのような言葉が紡がれているだろうか。それは喜びの言葉かもしれないし、怒りや悲しみの言葉かもしれない。時には傷つくような言葉もあるだろう。そのどれもが切実な光を宿している。忘れないでいて欲しいのは、あなたが発する言葉も、聞く言葉も、あなたが考えている以上に自分や世界に大きな影響を与えてしまうということ。

 

   全ての言葉には感情が宿っており、あなたにも感情を受け取ってしまう心がある。全く影響を受けていないように思えても、見えない感情は確かにあなたの心に降り積もる。あなたが見る世界の在り方に影響を与える。どうかあなたの大切な心を労わってあげて欲しい。触れる言葉や使う言葉を明確に意識することで、あなたは世界の明暗を選ぶことができる。

 

 ここで意識して欲しいことは、あなたが好きな言葉を見つけるということ。つまり、声に出して心がじんわりと暖まる言葉が、あなたの心の灯火だ。多ければ多いほどいい。たとえ、難しく感じても心配はいらない。あなたの心は確かな熱を持っている。感じることが難しくても、あなたの中に火は灯り続けている。ゆっくりと探そう。この世界には必ずあなたの心を暖めてくれる言葉がある。

 

 言葉という想いが満ちあふれるこの世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたが見つけた好きな言葉は、あなたを照らす光となる。口ずさめば、あなたの世界をほんの少し暖かくしてくれるかもしれない。どうかその暖かさがあなたの心を暖めてくれますように。言葉という静かな愛が、あなたの世界に届きますように。

「目の前に広がる花園 視界を埋め尽くす花々 圧倒的な美の奔流 全てがそこにあったとしても、私は一輪の花を残すでしょう」

 

 世界は花で満ちている。それは誰かが頑張った結果であったり、苦悩の中で生みだされた一つの祈りだったのかもしれない。あなたも目にしたことがあるだろう。整然とした街並み、美味しい食べ物、目を楽しませてくれる芸術作品。ハッと驚くようなサービスであったり、誰かの痛みを癒す医療技術もそうだ。先人たちや今を生きる人たちが人生をかけて作り出す広大な花園。その花園の中に私たちは生きている。

 

 花は無数に存在している。日々生きる中で、あなたは視界に映る花に圧倒された経験があるかもしれない。生きるということは、花に触れるということ。それは人であったり、物であったり、時に能力であったりする。ここで覚えておいて欲しいことは、花に同じものは存在しないということ。花は個々の特徴ではなく、その全体を通して世界に影響を与えている。姿形、色や大きさ、花が持つ性質、その全てが合わさることで、初めて『個』として世界に認識される。どれか一つでも花を構成する要素に違いがあれば、世界に与える影響は全く違うものになる。つまり、この世界において、あなたと同じ存在はいないということだ。どれだけ圧倒的な美しさを持つ花であっても、あなたという花の代わりを、この世界で果たすことはできない。役割が違うだけだ。花の美しさに優劣はない。

 

 花々が魅せるその圧倒的な美の前に、立ちすくんでしまうこともあるだろう。鮮烈な在り方は、時に人の目を眩ませる。その時はそっと目をつぶって、自分の内にある花を意識して欲しい。あなたの花はこの世界で唯一無二のもの。他の花にはない特別な輝きを放っている。もし、他の花に興味を惹かれたのであれば、じっくりと観察しよう。いったいその花の何が自分の心に訴えかけてくるのか。どの要素が自分の花をさらに美しくするのか。それが分かった時、あなたの花はより一層の彩りを持つ。

 

 世界という広大な花園の中で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたの目に映る花園には、もう足りないものがないように見えるかもしれない。しかし、世界はあなたという花を必要としている。完成されたように見える花園にも、寂しげな風が吹く日もある。唯一無二のあなたという花が、世界にポツリと空いた穴を埋める花となる。

「燃えるような愛 静かな熱情 木陰に咲く小さな花 何処かで流れた静かな涙 その全てが、世界に色をつけるでしょう」

 

 あなたは何かを好きになったことはあるだろうか。胸がドキドキし、感情は高ぶり、その全てを知りたいと願う。見えるもの全てが熱を持ち、世界の輝きが一層強まる。そんな瞬間があなたにもあったかもしれない。対象は人であったり、目的であったり、まだ見ぬ景色だったりする。その感情は人が生きる上で重要で、とても尊いものだ。もし、まだ出会っていないのであれば悩まなくてもいい。ゆっくりと自分の感情と向き合い、問いかければ、必ず出会う日が来る。

 

 あなたは静かに心を震わしたことはあるだろうか。それは世界の美しさを感じてしまった時かもしれないし、胸に決意を抱いた瞬間かもしれない。たとえ、その思いがまだ世界に出ていなくとも、焦らなくていい。その熱は静かにあなたの世界を変えている。静かな熱が、燃えるような輝きに転じることもある。その熱は必ずあなたを暖めてくれる灯火となる。

 

 誰にも気づかれずに咲く花にも意味はある。存在しているということは、その内に火を持っているということ。それは誰も気づかないような、限りなく小さな炎かもしれない。だが、『ない』と『ある』の間には天と地ほどの差がある。その小さな炎がいつか世界を暖めるかもしれない。胸を張って生きて欲しい。あなたが存在しているというその事実が、世界にとっての奇跡なのだ。

 

 身を震わすような寒さの中で涙が零れることもある。世界の美しさに涙をこぼすこともあるかもしれない。冷え切った心で夢を見ることは難しい。涙が零れるということは、まだあなたの炎が燃え続けている証だ。涙を流せなくても心配はいらない。それはあなたの中にある火が、少し弱まってしまっているだけだ。その時は、そっと深呼吸をし、胸に手を当て、自分に問いかけて欲しい。あなたは何が好きなのか、何を美しいと思うのか、どう在りたかったのか。それに答えが出たとき、あなたの火は静かに輝き始める。あなたの心は、世界を照らす灯火となる。

 

 心を震わせ、世界に火を灯すあなたに敬意を。燃えるような愛も、静かな熱情も、木陰に咲いた小さな花も、人知れず流した涙も、その全てが世界を照らす明かりとなる。あなたがあなたとして存在する。それだけで、この世界は確かに照らされている。あなたが存在しているというその事実が、この世界にとっての奇跡なのだ。