1ヶ月程前、久々の古参の孫弟子の良報。

「おう~、あの哲(趙哲来)が、ついに動いたか」

 ーJTA福岡博多テコンドークラブの産声

にご満悦の硬派感傷主義。


1ヶ月後の12月11日。

福岡博多のホテルで創始者の哲を待つ。


ところが、朝高時代から

 むなくそ悪い右翼

の街宣車が博多駅前を行進している。

当然、あの

 うるさいわけのわからない演説

をガンガンならしながらだ。


博多に着いて初めて知ったのだが、

13日(土)に福岡で

 ー日本・韓国・中国の首脳会談

があるらしい。


「そういえば・・」

ホテルにチックインするや否や

若い女のフロント係に

「ご身分のわかるよいな旅行会社の案内状をコピーさせて頂けないでしょうか?」

と言われ、

 むっ

ときて

「いくら顔が不自由だからって差別するな!

 これでも麗しの新日本人だぞ!!」

と言おうとしたわけではないが、

何となく不愉快だった。


エレベーターに乗ると、

 人相のするどい男達

と遭遇。


「あぁ、彼らはSPか公安だな」

と妙に納得してしまうと同時に、

我が輩の部屋の9階からは博多駅前のメインストリートが見えるので

「ゴルゴ13ならここからショットするに違いない」

と妙な気になってしまう我が身を恥じてしまった。


と思うや否や

「良いことだなぁ」

と思った。

我が輩は、

 ー日本、韓国、中国の真の友好親善を理想とする

のであり、

その理想は、創始している蹴武の型の名称に

 ー3国の義の偉人

を冠することで明らかにしている。


夜、仕事を終えた哲がマイカーでホテルに到着。

「お疲れ様です」

「おう! さぁ行こう」


JTA福岡博多テコンドークラブは、JR博多駅からそう遠くはない。

地下鉄なら次の駅であり、その次の駅が福岡空港。

博多駅から福岡空港へと向かう主要道路および高速道路の近隣にあり、

車でもわかりやすい場所にある。


まずは哲の職場へ。

次いでJTA福岡博多テコンドークラブの練習場所へ。

なっなんと!

哲の職場の裏にあるのだ。

設備も鉄筋造りで良い。

2階の練習場所も東京城南支部よりも少し広いし、

床も滑りにくいのでテコンドーの練習には良いと思った。

練習日は土曜日の午後3時から5時とのことだったが、

「哲、少し速すぎないか。

 午後6時~7時スタート。7時30分~8時30分終了が良いのではないか。

 はやめにホームページを立ち上げないとな云々」


我が輩は気分が良かった。

最近、古参の黒帯の「落書き」を消しているわけだが、

哲も

確か中学生から武田道場に入門して以来、

いつの間には

 ーベテラン

となり、

しかも古参になりつつあるのだが(顔は、昔から古参ではあるが)

 ー古参による新クラブの立ち上げ

は嬉しかった。


世の中には、ITFやWTFではなく

 ーJTAテコンドーが学びたい!

という人々が確実に存在する。


そういう需要がある以上、

お金にはまったくならないけれども、

古参の有段者は、

かつての哲自身がそうであったように、

JTAテコンドーを通じて

福岡のJTA同士を「救い」、

喜びを与えてほしいのだ。


最後に、哲の下宿へ。

 ーおそるべき夢の島状態

を想像していたのだが、

独身男性としては十分整理整頓されていたので安心した。

自分の部屋も自分で整理整頓できないのは、

 ー事務処理能力が無い

ということの動かぬ証拠である。

そういうだらしない男には、とても会員を束ねることはできない、

というのは我が輩の持論でもある。

この点でも哲は合格。


気分が良かったので、

「哲! めしでも行くか!」

「はい!」

「なににしようか?」

「モツ鍋でいかがでしょうか。うまいところを知ってますが」

ということで、

哲の運転する車に再び乗車したわけだが、

これが、

 ー恐怖のコリアン・ホラー

だった。


哲は、右折の際、思い切りが悪く、

アクセルを踏まずにブレーキに足をかけようとするのが

助手席に乗っていてよ~くわかった。

しかも福岡のドライバーは運転が荒く、

右折する車がいても減速しないで山笠のように突進してくるのだ。


「哲! ブレーキじゃなくて、アクセル踏め!!」

にわか教官は怒って言った。

「貴様! あの角度で当たれば我が輩は即死じゃないか!!

 さてはJTAを滅ぼす陰謀か?」

「そんなことはありません」

「アッハッハ」


新しい支部(クラブ)ができ、視察や指導・審査に行く都度、

 恐怖の運転

に遭遇するわけだが、

まぁ、それも宿命だと思ってもいる。

そう1週間後は、

高知から松山まで、河野の運転が待っているのだ。