6月組手総見。

先月から出席率が悪く、

「前年度優勝者の高島を含め

 我が輩の要求水準(かなり高い)に達している選手がいないのに・・・・

 JTAには、才能を伸ばす才能が足りないのが多いのか」

とがっかりしてしまう。


このモヤモヤ気分を払拭してくれたのが、尾崎圭司だった。

総見終了後、

尾崎と食事をしながらの定例ミーティング。


トイ面に座った尾崎の目を見て

(おや? 目の輝きがいいなぁ。K-1MAXで3位になった時に戻ったなぁ)

と観じたので、

「尾崎、なにか会ったのか?」

と聞くと

「はい。ありました。

 実は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうか! それは良かったな。

 K-1を目指した頃からの目標だったからな。

 それで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

「ええ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「やはりなぁ。なぁ、だから我が輩の言ったとおりだったろ。

 君と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

とご満悦の硬派感傷主義。


思えば、尾崎は、

神奈川大学体育会平塚校テコンドー部入部2年目から

毎週、土曜日は、東京城南支部の出稽古に通い

金曜日は、下北沢支部に通い、

それ以外は部活で練習。

日曜日に実施される試合等のイベントは、ほぼ100%参加していた。

つまり

「尾崎には、才能を伸ばす才能があった!」

のである。


5ヶ月後に控えた第19回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会。

尾崎よりも才能があると自負しているのならともかく

そうでないというなら

前年度優勝した高島を含め出場権を獲得している選手

もしくは出場権獲得を目指している選手は自省しなければならない。


高度な蹴り技というのは、伝承されるものである。

伝承は、自分よりも高いレベルの選手と

同じ空間で汗を流し、切磋琢磨しながら吸収するものだ。


自分よりレベルの高い選手や好敵手等に

研究組手や限定組手で蹴り込みそして防御する。

その反復継続した稽古を体に染みこませなければならないのだ。


何よりも重要なのは、

「極度の緊張感と最大限の集中力で蹴美を極めること!」

であり、

そういう指導の第一人者が我が輩であることは

客観的な事実だと思うのだが、

1ヶ月に1度の組手総見をさぼるというのは、

「いったいどういう料簡だかさっぱりわからない」

のである。


才能を伸ばす才能。

それはたゆまぬ努力であり、

初心を忘れないすなおな心である。


全日本出場クラスになると

所属している支部や体育会等では上位にあり、

主として「教える立場」になっている者がほとんどである。


はっきり言おう。

そういう環境での稽古は、強くなるための稽古にはならない。

関東圏の選手で自分自身をレベルアップしたいのなら

「組手総見で鍛えてもらいなさい! 我が輩に!!」

また、組手総見で選抜者の毎月の仕上がり状況を見てみないと

「全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会を高いレベルで維持する責務のある

 大会主宰者としての立場上、安心できない。

 仮に、低レベルなら、奨学金は廃止、

 後楽園ホールで開催する意味があるのか・・・」

と自問自答する硬派感傷主義である。