今から16年程前の東京の繁華街・六本木。

ある著名な空手家と

ある著名なプロレスラーとが

バリバリの現役時代。


なっなんと!

「酒場でタイマンをはった!」

らしい。


我が輩硬派感傷主義は、

ワルガキの頃から、

朝鮮学校の教員、先輩、同級生、

全盛期の暴走族や不良等に

嫌と言うほど殴られた。

そして恐れられる程、

殴り、頭突き、稀に蹴ることで反撃した。


さらには、空手やボクシング、テコンドー等の練習や試合で

十分すぎるほど

突き、

そして

蹴った。


正味、小4から現役引退の20代後半まで、約20年間、

鍛えられてきたため、

「もう十分、堪能しました」

の悟りをひらいており、

勝負の世界に生きてはいるものの、

もっぱら指導に徹している。


だが、格闘技の試合やケンカを観るのは、大好きだ。

かつての若き血潮が燃えるのだ。

当然、タイマンの顛末を知るのも愉快である。

そこでかねてより噂になっていた、

というよりは伝説になっている

「著名空手家対著名プロレスラーのタイマンの真相」

を当事者から一方から聞いた。


事件の発端は、六本木での合同コンパ。

男側は、著名な空手家2人、大相撲幕内人気力士1名、著名なプロレスラー1人。

女側は、女子プロゴルファー4人。


もともろ著名な空手家は、

著名なプロレスラーと親しいわけでもなく、

面識があるだけだった。

いわば成り行きでコンパのメンバーになったらしい。


お互い酒が入り、酔っぱらい状態。

ある著名なプロレスラーは酒癖が悪く、トラブル・メーカーとのこと。

(ボクシングの赤井英和氏ともトラブッタらしい)


このプロレスラー、

いきなり著名な空手家にヘッド・ロックをかけてきたらしい。

最初は、空手家も、

女子のいるコンパの席でもあり、

「冗談だろ」

と思い、

「**さん、やめて下さいよぉ」

と軽くいなそうとしたのだが、

どんどんどんどん

ヘッドロックの力を入れてきたという。


現役の30代のプロレスラーのヘッドロックは、

酔っぱらっていてもかなりきく。


ある空手家は、かなりダメージを受けると同時に、

「こいつ本気だなぁ。

 よし! それならやったる!!」

を意を決し、

瞬間的に両手に力を入れて、

ヘッドロックをはずし、

立ち上がると

すかさず

「オリャー」

と左右の突きをプロレスラーの顔面に

ビシッ

ビシッ

とお見舞いした。


するとその著名プロレスラー。

「うわっ!」

と奇声を発し、

突かれた顔面に両手をあててうずくまったらしい。

つまり無抵抗状態。


そこで闘いはストップ。

まわりのアスリートが止めにはいったからだ。

そりゃそうだ。

そのまま続けさせれば、

明日の東スポのトップ記事はまちがいなし!

の世紀のタイマンなのだから。


我が輩は当事者に聞いた。

「それで」

「あとで聞いたら**の前歯が折れたって聞いてね、

 よっしゃ!

 と思ったね」

「ギャッハハッ!

 そりゃ君の勝ちだよ。

 いいね~

 身体のでかいプロレスラーをやっけるのは!」


我が輩は、昔の悪ガキ時代を思い出しながら、

「著名空手家の武勇伝!」

に、

拍手喝采!
賛美を惜しまなかった。


武勇伝は、楽しからずや!