早朝、5時起床。

さぁ、これから羽田空港へ向かい

九州・福岡空港へ飛ぶ!

(まぁ、落ちたら是非に及ばず、だなぁ)

そこからレンタカーで佐世保だ!


無事、福岡空港到着。

レンタカーを借りたが、

「これかぁ」

とトヨタの小さな車をみて愕然。

普段、東京では河ベンツ、

彦根では河グロリア

と大型車のため

「当てられたらイチコロだなぁ。

 まぁ、1日レンタル料500円なのだからやむなし」


硬派感傷主義は、

タクシーも乗らないが、

高速道路も使わない。

唐津街道(202号)で唐津と伊万里等を経て佐世保へ。


途中、昼食を

 伊万里・玄海丸

という店でとる。

時間的に余裕がないので寿司定食。

目の前の職人さんに

「佐世保は、車だとあとどれくらいでしょうか?」

「&%$#”#$%&&’です」

方言が聞き取れなかったのが悔しかった。

寿司がなかなかの美味。

 好物のたこ

を別途注文。

「すみません。おあいそ」

「はい。寿司定食ですね」

「いえ、たこの握りもたのみました」

すると、目の前で握ってくれた職人さんが、

「いい、いい」

と会計係に言った。

「えっ?」

「わkりました。寿司定食980円です」

すると、

奧のカウンターから、

もう一人の寿司職人さんが

「そのお客さんは、たこの握りがあるよ!」

「大将が、いいっていうんです」

「あっそう」


「あぁ、なるほどザ・ワールド!」

我が輩の目の前で握ってくれた職人が大将=社長だったのだ。

「かたじけない」

旅は道ずれ世は情けというが、

たこの握り210円のサービスが、その金額以上に心にしみた。

「やはり繁盛店の経営者は粋だよなぁ」


午後1時40分。JR佐世保駅に到着。

東京の実家を出たのが5時55分だったので、

かれころ8時間かかったことになる。

廣川の自宅に電話し、迎えに来てもらう。

ところが、佐世保駅前は、止めるスペースがなく、

グルグル駅周辺をまわるハメに。

やっと廣川カーがやってきた。

その後ろについて20分後、会場へ到着。


今回の受験生は、5名。

審査をしながら

みなの熱意を観じ、

とても嬉しかった。

やはり年に数回しか合わないけれども、

審査の都度、

上達している孫弟子達の姿ほど

「宗師範冥利に尽きるものはない!」

のである。


審査終了後、

恒例の講評。

最後に、

「来年には、第1回長崎・佐賀テコンドー大会が開催できるようにがんばろう!」

とハッパをかける。

長崎佐世保支部には、

 ー熱意ある新メンバー!

が加わったので、

「長崎・佐賀大会は、来年、実現できるに違いない!」


審査終了後、

 宗師範蹴武の型セミナー

わずかな時間であったが、

みな集中していたので、

実りある指導ができたと思う。


仕事を終え、廣川の自宅へ。

我が輩は出張には、

最も合理的かつ

京浜急行の株主優待券が使えるパック旅行

を使うわけだが、

佐世保のホテルは、該当するホテルがない。


さすがに8時間以上も移動に費やしたので、

福岡・博多に帰る気力がまったくない。

なので、泊めてもらうことにした。


佐世保支部長の廣川の実家は、戦前からの酒屋さん。

だから廣川は、

香川県の弟子達が、

「こんなのうどんじゃない!」

と怒るのと同様、

「ビールは酒じゃない!」

怒るのだ。


初めて廣川のご両親と会う。

お父さんの鼻から口元が、

廣川その人と

「ウリトゥル(二つ)!」


我が輩は、事前に、

岡山の野村、河野、霜倉、

愛知の生川、藤原、都築、稲熊、浅井のテコレンジャーが

涙なみだのメンぱっちん!

だった神戸牛を贈答したのだが、

夕食のお膳に準備されていたのは、

なっなんと!

 豪華な海の幸=刺身

だった。

「・・・(逆に、気を遣わせて申し訳ない)」

と思うやいなや、

お父さんが、

「幻の名酒!」

と言われている大吟醸酒の

その名も

「まぼろし黒箱!」

をさりげなくお膳にだしてくださった。

これはなかなか手に入らないものらしい。


「かたじけない」

とにもかくにも

「うまい!」

の一言。

「さぁ、どうぞ先生、どうぞ、どうぞ」

とすすまれるがままに

グイグイグイグイ

飲んでしまった。

刺身もすばらしくうまかった。


久々に酔っぱらってしまい

えんえんと

唯我独尊!

のはなしをベラベラしてしまった。

気付いてみると午後11時40分。


廣川家のみなさんと楽しい一時を過ごしたわけだが、

翌日、早朝5時に起床し、

「また、調子にのってしまった・・・・」

と反省する硬派感傷主義。


「昨日は、もうしわけございませんでした」

「いえいえ、とんでもございません。

 楽しかったです」

とお父さん、お母さんに言われて再び恐縮。


でも、

今回の旅は、

「旅は道連れ世は情け!」

を観じた有意義な一時だった。

我が輩の好きな寅さんになった気がした。