約25年程前、

朝鮮大学を脱走した青春の頃。


精神的に不安定な時期であったため、


Q、人間の性は、善なりや(性善説)、あるいは悪なりや(性悪説)


で悩んだことがある。


古来、北東アジアの支配階層に四書として尊ばれた性善説の孟子、

それに対する性悪説の荀子、韓美子等を

むさぼりつくように読んだのだが、

当然のことながら

若年者に理解できる内容ではなかった。


ただ、若年ながらも印象深い内容があった。

性善説の孟子の一説の解説。

記憶がいささか曖昧ではあるが、大略次のようなものであった。


「人間の性は善である。

 人は誰でも他人の不幸に同情し、見過ごすことができない。


 たとえば、今、目の前で見知らぬ子供が井戸(川?)に落ちそうになった時、

 人はその子供を助けたいと思う。


 そう思うのは、

 その子供の親と懇意になりたいからではない。

 また、助けることで名声を得たり、出世の手がかりにしたいと思っているからでもない。

 さらに、助けなかったことで、自分が非難されるのを恐れているからでもない。


 人は、人ならば、誰しも同情の心を持っており、不幸な人を助けたいと思うものだ」


「性善説は、心が濡れるよなぁ」

と思うのが、

硬派感傷主義である。


確かに、ブログで、

「北朝鮮在留・日本人妻の帰国を実現しよう!」

と主張したところで、

 ー蟷螂の斧(とうろうのおの)

であることは十分承知している。


けれどもだ。

それでも我が輩は、

「北朝鮮在留。日本人妻の帰国を実現しよう!」

と主張したいのだ。


なぜならば、

我が輩は、まったく人徳者でも、人格者でもないが、

人として同情の心を持っており、

「不幸な人を助けたい!」

と思う性善説の心性が残っているからだ。


打算のないピュアな愛をつらぬき、

父母兄弟姉妹等からまったく祝福されない結婚をし、

差別と貧困、そして周囲の冷ややかな眼差しに絶望し、

北朝鮮という新天地に希望を抱いて故国を離れたが、

日本よりも厳しい現実をつきつけられた日本人妻3千人。

想像を絶する苦労があったに違いない。


そのうち約97%は、

故国・日本に一度も帰ることなく失意のうちに亡くなった。

生存しているのは、3%にも満たない80余名。


なんとか80歳まで生き延びた老婆達が、

人生の終焉をひかえて、

「死ぬまでに故郷に帰りたい!」

「死ぬまでに一度でいいから父母の墓前で親不孝をわびたい!」

「故郷・日本で死にたい!」

と、

くりかえし、くりかえし、

くりかえし、くりかえし

拝むように念じている姿は、涙なしには語れないのが

硬派感傷主義である。


我が輩は、

微力ながら近日中に、

 北朝鮮在留・日本人妻の帰国を実現する会

を立ち上げたいと思う。


最初は、

「左・右合作!」

を目指していたが、

なかなか

 ー思想的な左右の壁

は、

38度線同様、壊すのが難しい気がした。


ドンキホーテのような闘いかも知れないが、

要は、

「心意気の問題!」

だと思う。

当然のことながら

「ネットを最大限活用したい!」

と考えている。


その準備段階をしている間に、

日本の政治家が動き、

外務省が動き、

北朝鮮政府との間で

北朝鮮在留・日本人妻の帰国が実現するのであれば、

大変、結構なことだし、

是非、そうしていただきたいものだ。