我が輩が、

年末の琉球行きを決意したのは、

あらゆる分野で、ほんものが減少し、

偽物や偽装が溢れんばかりの日本の悲しい現実の中、

キャWAいい!

息子達に、

とりわけピュアな少年期に入った長男・明宗に

(次男は2歳なので記憶がなくなるだろうから、もう一度連れて行こうと思っている)、

親として、

「ほんものを見せたい!」

と思ったからだ。


その一つが、

 ー世界一!

をウリにしている

 美ら海(ちゅらうみ)水族館

なのだ。


世界一とは、

 ー黒潮の海

と命名されている大水槽のことで、

高さが8m20cm、幅が22m50cm、水槽の厚さが60cm

の規模を誇っているのだ。

これによって、

体長約7mの怪獣のようなジンベエザメが、3匹も泳ぐことが可能なのだ。


我が輩は、

今年の1月に美ら海水族館を見学しているので、

今回で2度目になる。

感想は、いずれも

「まさに蹴美だ!

 これを観てしまうと他の水族館がチャチにみえるなぁ」

実際、他の水族館へは行かなくなってしまった。


座って観覧しているだけで

大人も子どもも、

ヤクザでも、

北朝鮮の工作員でも、

 ー心が癒せる!

と板門店の中心で叫ぶことができる。

1時間程度、時を忘れて、

 ボ~

と観ていたい代物だ。


だが、我が輩的には、

 ー黒潮の海

の隣りにあり、

海底の下から魚たちの姿を眺められる

 ーアクアルーム

がお勧めだ。


下から眺めるジンベエザメも蹴美だが、

どでかいエイの姿が神秘的で、

たとえていうのなら、

右のかかと落とし正面蹴りに対して

蹴美な右後ろ回し蹴りを

 ビシッ!

とカウンターで決めたような

爽快感があるのだ。

もう座って上を眺めているだけで

ドーパミンが溢れてくるのが

よくわかる。



しかしだ。

ホメ殺しするだけで終わらないのが硬派感傷主義だ。

昔、ここは、

 ー愚行のモニュメント

の沖縄海洋博の跡地なのだ。

この博覧会は、大赤字で、

琉球には何の利益ももたらさなかった。

儲かったのは、おそらく

利権に群がった政治屋や役人、建築関係者だろう。


海洋博終了後、

この地は、ほぼ廃墟と化したわけだが、

それを多額の税金を投じて再整備し、

2002年に、美ら海水族館に変身させたのだろう。

なにせ美ら海水族館は、

 ー国立水族館

なのでつぶれることはない。


けれども、

これだけの観光資源なら、

民間資本にかなり高値で売れるはずで

一定の条件をつけて払い下げし、

「経営を民間に委ねるべきだ!」

と我が輩は思う。


ホテルが集中する那覇市から

美ら海水族館のある本部町までが

かなり遠いのに、

交通手段が限られている。

なので通常は、

観光バスを使うのだが、

途中で琉球村や万座毛にはかならず立ち寄るので

美ら海水族館には約2時間しか滞在できない。


 ー2時間あれば十分!

というのは、

漢の高祖が言った

 ー 一を知ってニを知らない

浅はかな見解だ。


大型バスが停まる駐車場から

美ら海水族館までが、

大人でも徒歩10分はかかるので(幼児だと15分か)、

往復20分以上のロスがあるためだ。

つまり1時間30分程度しか観ることができないのだ。


かくいう我が輩自身、

今年、2回行くことで、わかったことで、

最初は屋外のイルカ・ショーを観てしまったが故、

1時間も観ることができなかった。


今回は、大雨だったので、

イルカ・ショーはなく(あれば次男がうるさかった)

観覧に集中しようと思ったが、

それでも

「時間が足りんなぁ」

と嘆くのだった。


我が輩達が乗ったバスは、

予定よりも10分早く到着したので、

「運転手さん、

  ー16時出発

 とパンフレットに書いてあるから16時集合でいいんですよね?」

「いいえ、

 10分早く着いたので15時50分に出発します」

「・・・(これは何か観光地政策があるかもしれんなぁ)」

と推理するのが、

硬派感傷主義だ。


「あ~あ、なるほど、

 きっと1度来ただけでは物足りなくするための観光政策かな?

 そうすることでリピーターを増やそうとしているのかも?

 つまり、

   ー美ら海水族館には2~3回来い!

 ということか」 

と推理するのが硬派感傷主義だ。


ずばり言うと、

 ー美ら海水族館は3時間30分必要!

と断言できる。

内訳は、

3時間を鑑賞、

20分を駐車場からの移動時間、

10分はトイレ等のロスタイム

である。


しかし、これは観光バスでは100%無理だ。

なので我が輩は、

「レンタカーがいいぞ!」

と思うのだが、

そうすると、地元資本の観光バスが打撃を受け、

地元の人々の雇用が減るかも知れないので、

(うう~む・・・)

と悩んでしまうのだ。

これを解決するためには、

 ー地元の人々を搾取しない民間業者の登場

を期待しているのだが・・・・。


いずれにせよ、

硬派感傷主義の読者たる者は、

「美ら海水族館に、だまって行け!」