今大会で入賞はのがしたものの

試合内容を見る限り、

(精進次第で、来年度の全日本大会で入賞できるなぁ)

と観じた選手が3人いた。

小松裕弥(神大)、落合淳(神大)、鈴木裕司(湘南平塚)だ。


小松と鈴木は、

ともにまじめで、素直さもあり、

前者は、蹴美のセンスが、

後者は、センスを越える努力の姿勢がある。

今後が楽しみな選手だ。


落合は、気合いが良かった。

1回戦で選手宣誓をした優勝候補の渡部翔太を倒し、

2回戦では、

格上の斉藤健相手に果敢に挑戦する姿は、

 ーライオンに手向かう黒豹

であったとホメ殺しておこう。


とくに精神力が素晴らしかった。

転倒寸前、

斉藤がはなった強烈な後ろ横蹴りを顔面にもらい

血だらけになりながらも、

棄権しようとはせず、

最後まで戦い抜いた姿勢は、

 ー武道家の鏡

といえよう。


敢闘賞があれば、

まちがいなく受賞だっただろう。


仮に

 ー反則勝ち

ならば、

第18回全日本大会の出場権を獲得していたのだが、

次の準決勝戦は、

大量出血や鼓膜異常等の理由により

ドクターストップが確実で、

そうなると、

 ーテコンドー界の覇者を決める全日本大会

とはいえなくなる。


しかし、落合が転倒直前に、

斉藤の腰がまわっていたので

反則負けにはしにくい状況だった。

これは審判全員一致の意見だ。


試合内容では明らかに斉藤が勝っており、

それを無しにして、減点1をいれ、

 ー残り1分間で引き分けならば落合が勝ち

という審判協議の上の裁定はベストだったと思う。


10分後の試合再開後の結果は、

減点がなければ、審判全員が斉藤を勝ちとしていた。

落合には、ドクターストップがかかり、延長戦は無理。


(実力的には斉藤の圧勝。

 JTAが主催する全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会が、

 日本一強いアマチュア・テコンドー家を決める大会である以上、

 斉藤の勝ちだな)

と最高審判長として裁定した。

ただ、仮に反則勝ちとなった場合、

前述したように、

落合には、来年度の全日本大会の出場権が確定したのだから、

我が輩が最高審判長かつ主宰者としてそれを与えた次第だ。


我が輩ながら、

「名奉行・大岡越前の名裁きだなぁ~」

と自己陶酔して、

隣に座っていた司会につぶやくのが、

硬派感傷主義だ。


司会の目が、

 ー金正日将軍様

を見る目に近かったのが、

多少、きがかりだが・・・・。