録画撮りしたNHK「宮廷女官チャングムの誓い」(11月4日放映)を観た。


毎回、ストーリー性の高さと

 ーこの世には、いそうもない聖女のようなチャングム(=イ・ヨンエ)

に、感情移入しているのだ。


今回放映内容から

 ー韓国人とは、果たしていかなる人々か?

というのが多少わかるので、

ふれたいと思う。


今回の内容は、朝鮮王朝の王が、

大活躍した主人公の医女チャングムの功労に報いようと、

当時としては破格の官位を授けようとした。


ところが、普段、熾烈な派閥争いで闘っている重臣(大臣に相当)達が、

奇妙にも共同戦線をはり、一斉に反対する。

 ー賤民の医女ごときに官位を授けるというのは、李朝の政道に反する!

というもので、

明らかに女性蔑視の思想が溢れていた。


チャングムと相思相愛の仲だが、

 ー身分が違う

ため愛が成就できない準主役のミン・ジョンホ

(文武両道のイケメンのヤンバン。

 現代の国家一種試験と司法試験を足したような難しい高級官吏登用試験・科挙に15歳で合格したという神童。

 武術の達人でもあり、乱闘シーンでテコンドーの後ろ回し蹴りを使う。

 ぜひ全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会に出て欲しい「蹴美のヤンバン」

 まぁ、これも、この世にいそうにない)

は、王の決断を指示し、命令を忠実に文章化しようとするが、

これが信頼していたはずの上司=大臣の反発と憎しみを買い、

失脚を画策される。


王は、重臣達の激しい抵抗を黙殺し、

チャングムの昇進をおしすすめようとする。

同時に、ミン・ジョンホを必死に守ろうとした。


しかしだ。

ここで日本で言えば、

 ー水戸黄門のご印籠

が出てくる。

頑迷な王の母だ。


このおばはん、

毎回、王の頭痛の種で、

ことある毎に王の自立を邪魔するのだ。

今回は、

 ー医女に官位を授けるなどもってのほか。

  王の過ちは、母である私の過ち

という主旨の発言をして座り込みの抗議を始める。


慌てて母にふれ伏す王。

 ー母上に、このようなことをされては、孝道にもとります。

  臣民への示しがつきません。

と、主旨の発言を泣きそうな顔をしていうのだ。

そして重臣達の抵抗を断固拒否してきたはずの王が、

母親の抗議行動で叛意し、

チャングムの昇進を撤回してしまう。


このシーンが、

実は、我が輩的なポイントなのだ。


ひとつは、

 ー女の社会進出を阻むのは、実は、女だ!

ということ。


もうひとつは、

 ー韓国人のエリートは、実は、マザコンだ!

ということだ。


この韓国人の文化的特性の源泉は、

 ー儒教の朱子学

なのだ。


原理原則にこだわり続ける重臣達も、

みな、朱子学の信奉者なのだ。

でなければ、

科挙には、190%の確立で合格することはない。


朱子学の内容は、はぶくが、

キーワードは、

 ー孝(こう。韓国語では、ヒョ)

なのだ。

これこそが、

韓国人の文化的特性であり(現代の若者には言えないかも知れないが)、

 ー男尊女卑

の理論的基礎であり、

 ーソウル大卒のマザコン・エリート

を絶え間なく生産し続ける「教育ママゴン」の「思想的肥やし」といえるのだ。


たとえば、朱子学の影響を受けた日本人の場合は、

 ー忠

を重視するといわれている。

だから組織=会社への忠誠心が高いのだ。


他方、韓国人は、

 ー孝

を重視するので、

組織=会社に対する忠誠心は、日本人と比べれば稀薄で、

家族至上主義の意思決定を好むといわれている。

だからこそ、1997年の韓国経済危機以前の韓国財界は、

その大部分が

 ー同族経営のチェボル(財閥)

だったのだ。


 ー会社は誰のためにあるか?

という質問があれば、

韓国人ならまちがいなく

 ーそりゃ、決まってるでしょう。創業者一族のためですよ!

と答えるのだ。


「チャングムの誓い」を支えているファン層も女らしいが、

韓国の場合は、

おそらく、

 ー伝統的な献身的な専業主婦派

と、

 ー女の社会進出推進派

とが、

毎回、毎回、自分の人生観と照らし合わせて

(一喜一憂したんだろうなぁ~)

と思う硬派感傷主義であった。