第17回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会迄、後り4ヶ月にせまった今日。

関東圏最後の予選会である第9回東京都テコンドー選手権大会が開催された。


一部組手(全日本大会予選会)には、

無差別級に24名、女性無差別級に8名がエントリーした。

この中、全日本大会出場権を獲得できるのは、男女それぞれ1名に過ぎない。


数日前、我が輩は、

主催者である盛島一盛師範(以下、親しみを込めて盛島)から、

一部組手へのエントリー選手数の報告を受けた際、


(男子は、優勝まで、4~5勝か。

 半日でフルコンタクト・テコンドー・ルールの試合を4~5試合は、かなりきついなぁ。

 この暑さで果たして選手は、だいじょうぶなのか?

 死人がでるかも・・・)

と、若干の不安があると同時に、


一部組手に初挑戦する選手が10名を超えていたので、

(若人の勇気を奮い立たせる姿は美しい! 

 臆病を克服してくれて嬉しい!!)

と思うのだった。


我が輩の手元に対戦表が届いたのは、

午前9時10分頃から始めた基礎理論講義(1時間40分所用)と

午前11時頃から始めた昇段審査(2時間30分程度所用)を終え、

遅い昼食をとる頃だった。


盛島が手配してくれたレストランに行くと、

大会実行委員の男女の弟子達が、

楽しそ~うに、

ピクニックのように、

how many いい笑で食事をしていた。


ところがだ。

我が輩が、

 ー来た!

と、知ると、

あたかも韓国の自由に満ちあふれたソウルの繁華街ミョンドンから、

 ー自由って、いったい、なに?

  そんなことを堂々と言うものなら、明日には強制収容所行きだ!

という表現がピッタリの北朝鮮のピョンヤンの雰囲気に変わるのだった。


我が輩には、<独特のオーラー>があるらしい。

 ー将軍さまのおな~り!

という表現がぴったりで、

みな一斉に、

 ー私は貝になりたい!

とサイレント・マジョリティになるのだった。


空いている席につくと、

トイメンの吉川真青葉支部長(以下、親しみを込めて吉川)の顔がひきつり、

右側の尾崎の顔が紅潮し、

トイメンよりやや右側に座っていた佐藤裕樹港支部長(以下、親しみを込めて佐藤裕樹)が沈黙し、

西谷大森支部長が、人生につかれた中年サラリーマンのように下を見る。


趙哲来正指導員(以下、親しみをこめて哲来)が、

ひきつった笑いをしながら、

「試合の準備があるので失礼します」

と言うや、

一斉に、

 ー失礼します!

と、ひきつった笑顔をしながら席を立つのだった。


気付いてみると、

映画の題名と同じく、

 ーそして誰もいなくなった

のだ。


我が輩は、

(金正日じゃない!)

と中小企業会館の中心で叫ぶのだった。


さて本題に戻る。

対戦表を見て、

(女性部は、準全日本大会じゃないか)

と観じつつ、

(おッ!)

と注目したカードが、

女性無差別級1回戦の

 ー長崎優子(湘南辻堂支部)対高橋三恵(東京港支部)戦

だった。


長崎は、前年度全日本大会女子チャンピオンで、

女子部初の最優秀選手賞に輝いた<女性蹴美>の逸材。

全日本大会を4ヶ月後に控え、調整もかねてエントリーしたようだ。


対する高橋は、

前年度に出場した全日本大会予選会をほぼ連覇し、

優勝候補にあげられながらも、不本意な4位に終わったため、

雪辱を期している。


なかなかの好試合だったが、

高橋の気合いに満ちた攻勢が、上回っていた。

長崎は、蹴り技を決めようとする姿勢はわかるのだが、

 ー思うように身体が動かない

という感じがした。

結果は、高橋の判定優勢勝ち。

3ー0だった。


前年度チャンピオンを破った高橋の

達成感に満ちた笑顔が印象的だった。


長崎の今後に期待したい。

試合後、長崎が、

内定していた第17回全日本フルコンタクトテコンドー選手権大会選手宣誓を

「辞退したいのですが」

と相談に来たので、

本人の意を汲み、

「わかった。がんばれ!」

と激励した。


女性部は、高橋が勢いに乗り優勝すると思っていたが、

 ーいぶし銀

のような松兼ひとみ(東京港支部)が、

決勝戦延長戦で高橋を判定(3ー0)で下した。


井上めぐみ(湘南辻堂支部)も3位入賞。

準決勝戦では、優勝した松兼と、3度も延長戦を闘うほど完全復調。

引退しかけていたので、安心した。

試合後、

「めぐみ! やっぱりお前は、テコンドーの試合をしている姿が、よく似合うゼイ!」

両方の頬を赤らめて、

小粒の青森リンゴのようになった井上めぐみは、

「テコンドーが、たのしいです!」

と言ってくれたので、

我が輩の大脳辺緑系が興奮し、ドーパミンがあふれるのがわかった。


これでますます、

「第17回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会女性部無差別級の

 優勝者予想が困難になったなぁ」

と思うと同時に、

努力しているのだが、

なかなか結果がでない藤田朋子(東京品川支部)や荻山美和(東京品川支部)にも、

(がんばれ!)

と思うのだった。


次いで男子無差別級。

総じて観じることは、

(ルールを改正して良かった!)

だった。

初めて一部組手に挑戦した選手達も、

JTAが極めんとする蹴美の組手を、

それなりに実践していたからだ。


問題は、

 ーフルコンタクト・テコンドー・ルールに必要な身体作り

で、安全上も不可欠だ。

とくに、不慮の事故を防止するために、

(首を鍛える必要性がある!)

と観じた。


試合は、

 ー神奈川県大会でしか勝てない

ため、

 ー神奈川おとこ

と言われていた

高島大輔が優勝し、

最優秀選手賞にも輝き、

 ー神奈川・東京おとこ

にバージョンアップすることができた。


190cm近い長身からはなたれる連打からの右の後ろ横蹴りのキレがあり、

気合いも十分で、

この勢いが全日本大会まで持続すれば、優勝も夢ではない。


準優勝は、

 ー神大のクンタ・キンテ(これがわかる人は、歳がばれる)

こと落合淳。

落合の特徴は、

 ー蹴りの角度が予想しにくい

点にある。

たとえて言うのなら、

日本有数の繁華街・新宿歌舞伎町で、

いきなり

 ーブッシュ・マンがジャンプする

ような蹴りなのだ。


試合内容が良く、

今後も期待できるので、

すでに全日本大会出場権を獲得している高島が優勝していることから、

落合にも全日本大会出場権を与えることにした。


3位は、神奈川大学横浜校体育会主将の小松裕弥。

神大久々の逸材だ。

尾崎や古谷知也以来、5年間待った。

伝統の東京城南支部出稽古を地道にまじめに通う

 ー才能をのばす才能がある!

選手なのだ。

ただ、3位で満足せず、優勝をめざしてがんばってもらいたい。


そうそう、愛知支部長の河田泰弘や、

岡山支部長の妹尾将吾や妹尾真希もかけつけてくれたので嬉しかった。

(来月、関西大会で会うのだけれど・・・。遠距離を感じないなぁ)


純粋かつ熱い若き弟子達の熱戦および

遠方の弟子達との再会こそ、

我が輩の若さの秘訣なのだ!