明日4月15日は、北朝鮮に永らく君臨した金日成(金正日の父)の生まれた日である。


我が輩は、

親が朝鮮語を学ばせるという目的だけのために、

いわゆる朝鮮学校に小学校から大学まで通わされた関係で、

好むと好まざるとにかかわらず、

この金日成という男に多感な青少年期を振り回された観がある。


我が輩は、明日のこの複雑な日に、

我が輩なりの体験的な北朝鮮論を語りたいと思う。


画家は、絵画を描いてこそ、画家であり、

作曲家は、作曲してこそ、作曲家であり、

作家は、文学を書いてこそ、作家であり、

学者は、学術論文や学術単著を発表してこそ、学者であるはずだが、

まともな学術論文や、まともな学術単著が一つもないのに大学教授になっている者が結構いる。


とりわけテレビに出演している<北朝鮮専門家の大学教授>と称する人々が、

果たしていかなる北朝鮮に関する学術論文や学術単著を発表しているのか?

と、常日頃、疑問に思っていた。


我が輩は、北朝鮮問題が論じられる際、

世論の形成に多大な影響を持つテレビのキー局が、

なぜ、和田春樹先生(元東京大学社会科学研究所所長・教授。和田先生については後日)を解説者として招かないのかが不思議でならなかった。


従来、北朝鮮問題を論じる際、

①韓国・朝鮮語(韓国資料、北朝鮮資料、中国朝鮮族資料等の分析に必要)

②英語(米国等の英語圏資料の分析に必要)

③中国語(中国共産党等の中国側資料の分析に必要。ただし、重要なものは公開されていない)

が必要であったが、

ソ連が崩壊して以来、事情が変わった。


ソ連共産党関連の重要な資料を分析することが可能になったからだ。

金日成が、ソ連の強力な後押しで北朝鮮のトップになり、

建国後もソ連からの多大な援助を受けて存立できたという史実を鑑みれば、

これらのロシア語で記された旧ソ連共産党関連の資料価値が、

いかに高いかが容易に推察できるだろう。

つまり<北朝鮮専門家>と言うためには、

上記の3言語の他に、

ロシア語能力が不可欠なものとなったのである。


我が輩のような者が言うのはおこがましいが、

学術的業績において他者を圧倒し、

韓国・朝鮮語、英語、中国語、ロシア語の4か国語の能力に秀でた

 ー学者の中の学者

といえる北朝鮮問題解説の適任者は、

和田春樹先生以外に存在しないと考えている。


その和田先生が、まったく機会を与えられず、

和田先生の学術的業績の足下に及ぶどころか、

一つの学術的業績のない者が、

<北朝鮮問題専門の大学教授>と称し、マスメディアで堂々と解説しているのであれば、

我が輩程度の者でも

このブログを通じて北朝鮮問題を解説しても良いのではないかと思うのである。