何を隠そう私は頭痛持ちでして、大体2ヶ月に1回くらい、発作的にものすごい頭痛に襲われます。

 

 具体的なことを言えば、まず午前9時頃に何となく頭痛の予兆があります。そして10時から11時くらいにがんがんと痛くなり、12時くらいにピークになります。なかなか文章で表現するのは難しいのですが、とにかく激烈に痛む。吐き気、冷や汗を伴い、酷いときには実際に吐きます。全てのやる気を奪われると言いますか、何も手につかない、その場にうずくまっちゃう状態。ここまで来るとしようがないので、薬を飲んで少し横にならせてもらって、あとはひたすら落ち着くのを待つという感じ。夕方くらいにやっと動けるようになりますが、結局その日は1日潰れてしまうのです。

 

 

 10代20代の頃は全く頭痛で困ることはなく、35を過ぎた頃から頭痛に悩まされるようになりました。さすがにくも膜下出血とか脳腫瘍とか何か悪い病気なんじゃないかと不安になり、妻のすすめもあって近くの頭痛のクリニックを受診し、MRIは異常なし。そこで片頭痛(偏頭痛? どっちが正しいんだろう)と診断されたわけです。

 その後は薬をもらって、何となく付き合い方が分かってきたと言いますか、完全に治ったわけではないのですがそれなりに対応出来るようになってきました。去年の例では2月、6月、8月、10月に発作がありましたが(何で4月と12月は大丈夫だったのか不思議です)最近はおかげさまでずっと調子が良くなりました。人は予測出来ることであれば対応出来るものなんだなあと思います。逆の言い方をすれば、予測出来ないことには対応出来ない。最たる例が福島の原発事故でしょう。多分。

 

 

 正直な所、自分が頭痛になる前までは頭痛をなめていました。身近に頭痛の人がいても、どうせたいしたことないんでしょ? バファリンでも飲んだらいいんじゃないの? 早く効いて胃に優しいんでしょ? くらいに思っていました。全くお恥ずかしい限りといいますか、全国の頭痛に悩む皆さんに申し訳ない。もしかすると罰が当たったのかもしれません。

 

 

 そんなわけで、現金なもので、今ではすっかり頭痛の人に優しくなりました。人の振り見て我が振り直せの逆パターンと言いますか、自分のこととして経験してみて初めて人のつらさが分かる。

 

 

 で、結論なんですけども。よくよく考えてみればこれは頭痛に限ったはなしじゃなくて、傍目にはわかりにくいんだけど本人は辛い、悩んでいる、というケースは日常に良くあるんでしょうね、きっと。

そんなときにさりげない優しさを発揮出来るような、出来る大人、出来る中年を目指したいと思っております。

 

内科 愛木 隆

 

岩手県 盛岡市 川久保病院

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