・・・前回(下駄/足駄あるある…1同…2同…3)の続き・・・

 

⑪当時僕は汽車通学であった。通勤通学列車(バスも同様)では足駄特有の苦労がある。

1)下駄の「台」は長径28cm程度だが、接地は前歯と後歯のみ、「歯間」は15cmもない。つり革などにつかまっていても、バランスをとるのは難しく、いわんや手放しで立っていることなど不可能だ。

2)混雑が激しくなると、自分の足駄の下(前歯の前、後歯の後ろ)に他人の足が入り込む。こちらは揺れに任せて前後にぐらぐらしているから、無意識に「下駄の台」部分でその足を踏んでしまう。桐とはいえ固い木で踏むわけだから当然痛い。たびたび文句を言われたものだ。

3)雨の日、人の傘の先がこちらの「裸足」に刺さる。結構痛い。

 

⑫最後に、下駄ビギナーの多くは鼻緒の洗礼を受ける。第1、2趾間が擦れてびらんになってしまうことがしばしばだ。ここでやめてしまうものも多い。また我慢しきれずに靴ひものごとく鼻緒を緩くしてしまう人もひる。しかしそれでは下駄お履き心地は悪く、結局履き続けられない。固い革靴を履きこなす如く、短時間・たびたび足を通して自分の足に馴染ませてゆく過程が大切なのである。

 

・・・おわり。

 

尾形 文智

 

岩手県 盛岡市 川久保病院

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