2016.6.24


 天気予報は「曇り、宵の口から雨模様」、傘を持って出かけるか迷うところ。僕は折りたたみ傘が嫌いなので、傘を携行することにいつも逡巡がある。「大丈夫」と念じて失敗することもしばしばだ。この日は仕事で東京へ出かける予定であり、迷ったが決心して持参した。高価な傘ではないが、ディスポでもない、それなりに使いこなして愛着のあるものだった。果たして20時過ぎから強めの雨、小走りに濡れて帰る人々を横目に少し優越感を感じていた。


 湯島のコンビニに立ち寄ったところ、店頭に傘立てがあり45本立てかけてある。普段ならそのまま持って店内に入るのだが、この日は自分もそれに倣って店内へ。数分後に店を出ると「傘がない」、いや正確には僕の傘がない。見知らぬ濡れ傘が1本あり、店内には客が一人・・・。


 その後ホテルまで雨に濡れながら小走りしたことは言うまでもない。一息ついてから考えた。地域性なのか?自分の見込みが甘いのか?たまたま運が悪かったのか・・・?思いは尽きない。ただ自分自身意外だったのが、その刹那腹は立たず、悲しい気持ちが優先したこと。そのためか、憂鬱な気分感情をあまり引きずらなかったこと。これを到底成長とは呼べまいが・・・。




尾形 文智


岩手県 盛岡市 川久保病院

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