「鍼灸」と書かれた看板は、町中でみることができますね。
え?そう?という人には関係のない話です。
(興味のない事は、記憶にとどまりませんので)


さて、
私施術をしていて患者様に
「前に受けた鍼灸と違う!」と言われる事がよくあります。

お伺いすると
「ここがつらい!と訴えた所に鍼を打たれる」
ということです。
おそれく鍼灸治療を受けた方の多くがそうではないでしょうか?

この理由をご説明します。

技術練度は、先生によってレベルがまったく違います

鍼灸師は、国家資格です。ご存知でした?
資格取得の為、大学、専門学校などでお勉強してから国家試験受験資格を得て
受験して合格して初めて”鍼灸師”を名乗れます。


ここまでは鍼灸師として共通です。

残念ながら資格取得後すぐに、治療ができる方はほぼ存在しません。
  (どの様な資格も同じかと思います)

資格取得後も技術研磨が必要となります。 

資格取得後すぐにできるのが、筋肉の硬い柔らかいを判断して鍼を打つという技法。
東洋医学の知識の理解がなくとも、手の感覚のみでできます。
患者様が訴える部位に鍼をうつという方法です。
”現代鍼灸”と言ったり”西洋医学的鍼灸”などと言います。
要するに鍼灸はするけど東洋医学ではない訳ですね。


技術者養成が簡単で時間もかからないため、この技法を使う鍼灸の先生がほとんどです。

また、患者様にもわかりやすいという事もあり一般的です。

しかし、技術的には かんたんすぎます!
また治療効果も低くすぐに痛みや不調が出てきます。

そして
一部の真面目でより効果のある方法を求める熱心な先生・
知的欲求の高い先生などはより上を目指し探求します。

東洋医学をきっちり勉強しようとして、どこかしら学会や勉強会、
中には留学など・・・。探求の方向性については先生によって様々です。
なかには鍼灸以外の方法を探求する方もいます。

鍼灸を含めた東洋医学は歴史があるため
一つの幹から色々な枝がでるような感じでさまざまな考え方、流派などが存在します。

ちなみに
固有名詞や横文字を使ってを「〇〇式」と営業しているものを多くみますが
イチから生み出したものは、ほとんど無いはずです。
何かしらの考え方を下地にしていると考えられます。
まぁ、オリジナリティーの演出も営業として大事。
必殺技っぽくていいです。※ 批判ではありませんからね。
余談になりました。

それぐらい色々とあります。

平均的に言って歴史がある考え方ほど、理解と技術習得に時間がかかります。

理解力と技術習得は、先生個々の知力と才能によって大きく変わりますが

いずれにせよ、技術者養成に膨大な時間と労力が必要となります。

ずっと修行中みたいな状態です。

また
そもそも歴史のあるものを一人で独学する事は不可能。

良い師匠との出会いも必要です。こればかりは運です。
例え、出会っていても自分のアンテナに響かなければ通りすぎる事になるでしょう。

伝統芸能の様な世界感です。


”訴えの患部に鍼をうつだけの鍼灸”と”東洋医学をきっちりやる鍼灸”

鍼灸業界では。8:2ぐらいの比率でしょうか?

具体的な数字はわからないですが

いずれにせよ少数派です。



 ※ 伝統鍼灸をまとめて東洋医学と表現しています。