小林よしのりブログで、元メンバーだったカレーせんべい氏が集団で叩かれまくっている。


発端は男尊女卑云々の話みたいだけど,トランスジェンダーの視点で言わせてもらうとカレーせんべい氏は私が最も苦手とする「無意識の内に男女を分けて、男性という性に対して(よくわからない何の根拠もない)誇りを持ってるタイプ」だろうなーということは伝わってくる。

だけどそれって小林よしのりも周りの支持者たちも全く同じにしか見えない。


小林のこれまでの論を読んでると、小林は歴史を重視して語ることが多いのが見てとれる。

しかし、性に関していえばその歴史自体が何の論理性も無く「そうだから」で完結した状態で何百年も続いてきたわけで、それを「否」とストップかけてるのが今のジェンダー論なのだろうと言いたい。


そのジェンダー論は大前提として、性別は好きでそう生まれたわけでも、努力して勝ち取ったものでもなく、偶然の結果論でしかないもの。

その偶然を基本的には死ぬまで背負い続けなければならず、ならばお互い折り合いつく距離感でその差異をなくすべき、という考え方。


そういう考えをしようという世の中の流れにはなっているけど、そういう考えをしようとしている大半が社会を「男尊女卑」だと思っているからその対象を「肉体上の女性の地位向上」に限定してしか考えられない。

私は産まれてこのかた一度も見たこと無いけど、本当に男尊女卑な社会が在るのであれば、「肉体上の女性の地位向上」を訴えるのは良いことだとは思う。


じゃ、その逆は?


「肉体上の男性」の置かれている現状と、そのことに不満を持つ層の意見が拾われることはまずない。

何故なら「女尊男卑社会」という現実があることから、無意識の内に目を背けているから。

目を背けてるだけ、逃げるだけで終わるなら、その人の本質は分からない。

しかし、思想しようとするなら綻びは簡単に出る。


小林は男性の徴兵制に賛同する考えを持っている。

私は普段は小林に意見などすることはないけど、この考えだけはどうしても許せなかったのでその話題の際はブログのコメント欄に反論した。

しかし小林も周りの支持者も誰一人として聞く耳は持たなかった。

その話の中で小林が言ってた内容で印象に残っているのは「兵役は苦役ではなく誇り」という意見。

つまり、「兵役はメリットだから行くべき。それは男性だけが行くべき」って意味になり、これって男性という性に対して無意識の内に(根拠の無い)誇りを持ってるカレーせんべい氏と何が違うの?と思う。


私から言わせれば、小林もカレーせんべい氏も、ジェンダー論を語る資格などない。

なぜなら無意識の内に男女を根拠無く区分けしているから。

この根拠の部分を深堀りするのが小林よしのりの凄いところだと思い、私は基本的には彼のファンなんだけど、ことジェンダー論に関していえば、

彼自身が自分を「男尊女卑の人間」だと思い込んでいるせいか、

「女卑」の根拠を探すことで満足していて「男卑」の根拠を探す発想に行き着いていないので論理を語ることはできないのだろうなと。


ちなみに、私は当然だけど徴兵制は苦役だと思っている。 

苦役だからこそ、そんな業務に携わっている自衛隊の皆様には感謝しかない。

苦役だから、男だけに兵役の義務が課せられたらそれは男のデメリットだとも思う。

そして、そう思う人が多いから、韓国では兵役逃れが横行しているのではないか。


好きで選択したわけでもないのに、肉体上男というだけで死なされるという制度。

こんなものに賛同する人間にジェンダー論を語ってほしくない。

ウクライナで、死にたくないと震えて車の荷物に紛れて国外逃亡を図るも、兵士に見つかり強制送還された男性を見てゼレンスキーを支持するような人間にジェンダー論を語ってほしくない。


徴兵制については極端な話ではあるけど、「女尊男卑」の社会があることも見て、そこに生きる肉体上の男性の目線にもきちんと耳を傾けて思想することが本当のジェンダー論だと言いたい。