日本経済新聞より転載


高架橋「長期的には撤去」 日本橋の首都高、舛添知事が視察

 東京都の舛添要一知事は19日、日本橋を視察し、日本橋の真上を通る首都高速道路の高架橋を巡り「長期的には青空が見えるようにしたい」との考えを示した。日本プレスセンタービル(東京・千代田)で同日、海外メディア向けに開いた講演でも「できる限り早急に取り除く」と強調した。

 日本橋川の上を通る首都高は1964年の東京五輪を前に開業。用地買収の手間を省くため、河川の上を通るルートが選定されたという。

 この結果東京を代表する景観が破壊されたとの批判は各方面から強く、以前から日本橋付近の首都高を地下化する案が浮上している。

 ただ、実現には「地下化した際の費用負担をどうするか」(舛添知事)といった課題の解決が必要で、これに関しては同日の視察や講演では明言を避けた。

 舛添知事は日本橋室町の「仲通り」を歩行者天国とする考えも明らかにした。「まずは昼休みや土日限定で始め、2020年の東京五輪までには完全に実施したい」という。

 日本橋室町は3月に複合商業施設のコレド室町2・3が開業するなど大規模な再開発が進んでいる。大通りの中央通りの東側にある仲通りは石畳で舗装され、買い物客らの動線になっている。

 舛添知事は交通体系の見直しを公約として掲げており、都心への車の乗り入れを減らすことを目指している。14日には丸の内の仲通りを歩行者専用道にする構想を打ち出している。