以下、Bloombergより転載

4月16日(ブルームバーグ):東京五輪の2020年開催に向けて、競技場を上空から見下ろすことができるロープウェイを汐留から豊洲まで建設する構想が浮上していることが分かった。大会期間中の移動手段のほか観光名所にもなることが期待されている。

発案者の山崎孝明江東区長がブルームバーグ・ニュースに15日、明らかにした。汐留から築地、豊洲、五輪競技場ができる国際展示場などをつなぐ湾岸ロープウェイ構想で、建設費は試算で215億円程度。2012年五輪でロープウェイを設置したロンドンの視察がきっかけで着想した。ゼネコンが現在、構想の勉強会をしているという。

ロープウェイは五輪期間中は移動の交通手段としての利用を想定している。ロンドンでは五輪終了後に乗降客が減少した。東京の場合は豊洲新市場をはじめとして人気の施設が沿線にあるため、五輪後は観光施設としての役割も担えて需要はあるとみている。
山崎区長はインタビューで「東京の上空100メートルくらいの高さをロープウェイで渡ってきたら、一度は乗ってみたいと思うだろう」と語り、東京スカイツリー並みの重要な観光資源になるとも述べた。

区長によると、構想実現には沿線自治体である中央区などとの合意形成や、資金確保の必要がある。都心と湾岸エリアを結ぶ交通手段としては現在、「ゆりかもめ」が運営する東京臨海新交通臨海線(新橋-豊洲間)がある。  

江東区には五輪の全37競技場のうち、17競技場が集中。レスリングやフェンシング会場となる東京ビッグサイト、バレーボールの有明アリーナなどが含まれている。国際オリンピック委員会(IOC)は昨年9月、第32回夏季五輪を東京で開催することを決めた。56年ぶりの東京五輪再現になる。