前回からの続きです。


1971年 10月上旬 瀬木逃亡失敗
    10月中旬 植垣氏爆弾を作りに革命左派の丹沢ベースに来る
         永田・金子さんに痴漢をする
    10月下旬 瀬木逃亡
    
    これにより丹沢ベースから井川ベースに移動

そして11月の話になります。瀬木が逃亡したことで瀬木に好意を持っていた小嶋和子さんは、ショックを抱えていました。そんな彼女に手を差し伸べたのが、恋人になる加藤兄弟の長男である加藤能敬(以後、加藤長男)さんでした。2人は、永田の送り迎えをする間に情事を行い大人の関係になります。加藤長男さんは、男前でもてたそうです。彼は、都内にある府中アジトとこの山岳ベースを行き来しておりました。11月22日に警察が、加藤長男さんを含め数人が潜伏しているアジトに強制捜査に入ります。それにより

川島陽子、加藤長男(能敬)さん、中村愛子、小嶋さんの妹が逮捕されてしまいます。この時、金子みちよさんと大槻節子さんも府中ベースにいました。金子さんは、夜遅くまでカンパの為に大学時代の友人のところを廻ってて、逮捕されませんでした。(もし、ここで逮捕されていれば、妊婦という事もあり後の山岳ベース事件に巻き込まれることもなかったかもしれません。)

大槻さんはと言えば、警察のガサ入れの丁度その時(またまたNHKの番組みたいになりましたが・・・。)、アジトに戻って来たところでした。そして警官が言います「お前は一帯何者なんだ?」そうです。大槻さんはどう考えても凶悪なテロリストのアジトに来るような顔立ちじゃないのです。すると、拘束されていた中村愛子が(ぐぐってみるとこの人も白石美帆に似た美しい顔立ちをしていますが・・・。)「警察は無関係な人間も逮捕するのか!」と騒ぎます。警察官も同じアパートに住む可愛らしい女子大生が何事かと部屋の様子を伺いに来たのかと思ったのでしょう。そうです彼女が助かったのは、今で言う女子力がパンパなかったのです。まさにゆるふわ系女子です。

彼女は、高校時代は体操部所属で、横浜国立大学の学生で、金子さんと同級生。上赤塚交番襲撃事件で彼氏の渡辺某が逮捕されると、印旛沼事件で殺害された向山茂徳さんと恋人関係になります。彼女は凄い美少女でしたが、体力が有り、革命左派の腕相撲大会では優勝したり、登山が趣味で赤軍派でも一番体力の有った植垣氏が驚くほどの持久力がある体育会系。またゆるふわ系女子の容姿を活かして、火炎瓶を投げまくる陽動作戦(まさか、こんな子がするわけがないという先入観があるため逮捕されなかった)や向山さんの処刑について戸惑う永田洋子に背中を押すような言葉「やるべきです。彼を自由にしたら我々の計画が権力(警察)に筒抜けになります。」など冷徹な言葉をかけたりする非情さと大胆さを備えもっておりました。

よく、永田洋子が、大槻さんや遠山さん、金子さんに嫉妬して集団リンチをさせたと新聞や週刊誌、マスコミの記事に書かれていますが、あたしは、その説に否定的です。そもそも永田洋子が川嶋や坂口を篭絡して、革命左派の最高責任者にのし上がり、更に赤軍派の最高責任者の森までも、坂口と離婚させて夫婦に成るほどの美貌があります。永田としては、森にべったりな、遠山さんを粛清して、次に自分の地位を脅かす大槻さんを粛清したのだと思います。また、金子さんも大槻さんと同じように永田に意見することが多く、折角、手に入れた森の夫人の立場を奪われると警戒したのだと思います。

そんなこんなで、重罪人の川嶋陽子は逮捕され、犯罪歴が無い加藤長男さんと中村愛子は1月足らずで釈放されます。後にこの時の逮捕される時に加藤長男さんがあまり抵抗しなかったことを森から責められます。また、小嶋和子さんと交際中にも関わらず、彼女の妹とも関係を持ってしまいます。(小嶋妹は加藤次男と交際して大人の関係にありました)
運よく、逃げることが出来た大槻さんは、自分の美貌を活かして、シンパや支援者から変装用の服を買ってもらったり、自動車で送迎して貰ったりします。これもまた後に永田から「女を武器にしている」(見事なブーメランですがw)と責め立てられます。

あたしのイメージとしては

永田洋子・・・高橋尚子さん
大槻節子さん・・・能年玲奈さん
金子みちよさん・・・杏さん
遠山美枝子さん・・・伴杏里さん(若松監督の映画で重信房子役をやった女優さん)
重信房子・・・道重さゆみさん

という感じがします。
もちろん実写化したとしたら、高橋尚子さんは女優じゃないので無理だと思いますが、吉高由里子さんあたりの女優さんであれば、永田洋子を演じきれると思います。

今回はこれくらいにして、次回は植垣氏と大槻さんのテロリスト同士の恋愛について書きたいと思います。