ICUに到着。


一度、急に震えがスッと落ち着いて身体の力が抜けて、あ、おさまったと思ったけどまたすぐに震えが再開。

これを2回くらい繰り返した。



周りの看護師さん同士で

「ご家族は?」「もう来ます」

みたいな話をしていたが、こんな姿を夫が見られたら絶対心配される!もっと後にしてくれ!とか考えてたら、夫の姿が外にぼんやり見えた。



不思議なことに、その瞬間震えが消えた。

愛の力か?😂

あの震えは精神的なものだとは思えないけど…



夫がそばに来てくれて

「お疲れさま」

と言われた気がする。



最初は声があまり出なくて人工呼吸器もついていたのでヒソヒソ声で話していた。



ちなみに術後は本当に声が出せなかった。

苦しくてとかだるくてとかではなく、純粋に声が出ない。

喉がカラカラだったのか、とても乾いてた。



夫が私の声を聞き取るために私の顔まで前屈みになって近づいてくれてたから体勢が大変そうだなと思い、

「大丈夫?膝ついて座ったら?」

と気遣うくらいの余裕はあった。



術後の痛みもあったけど、この時は夫に話したいことがたくさんあって、自分には珍しいくらいベラベラ話したと思う。



今の自分の感覚、痛みの程度、前の記事に書いたような手術直前の様子、夫のこと、色々話をしていた。


2時間くらい居てくれたけど、その間ほぼぶっ通しで会話してた気がする。



さっき移動中に看護師さんが言っていた「◯◯痕」が気になって、夫に私の首筋や顔に異常が出ているか聞いたところ、じんましんのようなものが出ているとのこと。


気になるが、まずいなら病院が対処してくれるだろうとひとまず放っておくことにした。



私の手術中、夫は入院病棟の休憩室で待機していたそうだ。



手術を終えた執刀医が説明に来てくれて、

手術は問題なく終わったことと、切り取った検体も見せられたとのことだった。


切り取った大腸には近所のクリニックでポリープ切除の時に留めたクリップもまだついていたようだった。



それと、私は裸眼だったということとICUを見渡す余裕は全く無く分からなかったが、夫が

「モニターが全部天井から吊るされてる。

地震があっても大丈夫なようにだね」

と言っていてなるほどと思った。



そんな会話を楽しみ…

そろそろ夫が帰る時間に。


とにかく夫に帰って欲しくなかったけど、子供のお迎えもあり行かなくてはならなかった。


「夫がもし手術する時はずっと付き添おう」と心から思った。



ちなみに術後の痛みについて。


この時はまだ医療用麻酔入りの痛み止めが入ってはいたものの、


「思ったよりは大したことないな、なんなら生理痛のピーク時の方が痛いかも」


という感じだった。



看護師さんが

「一番痛いのか10、全く痛くないのが0だとして、今どのくらい?」

と聞いてくれて、5くらいと答えた。


本当に思っていたほどは痛くなかった。

これなら全然耐えられるって思えるくらい。



そして17時前に夫が帰宅して1人になった。



ICUだからスマホなど暇つぶしのものも持ち込めず、身体も動かないしでひたすら横になって何もせず時間をやり過ごす。



が、退屈とか暇とかいう感情はなく、

「痛みに耐えるをする」

という感じで、そういう意味ではやることがあった。

私今頑張ってる、みたいな感じ。

第一スマホがあっても見ている余裕はなかっただろう。


出産直後の感じに似ていたかもしれない。

夫と2時間ぶっ通しで話してまだ足りなかったのも考えると、術後ハイのような感じだったかもしれない。



18時になり、20時になり、23時になり

その間何もせず寝ることも出来ず、ただただ横になって痛みに耐えながら時間がすぎるのを待った。



血栓予防のためにふくらはぎのあたりにポンプのようなものがついていて、それが常に動いているのだが、そのウィーンウィーンという音だけがICUに響き渡っていた。


時々看護師さんも声をかけにきてくれたりした。



夜に一度だけ歯を磨いた。

看護師さんが「歯磨きしますか?」と聞いてくれたのですることに。



ベッドを起こして軽く座位になり、簡単に歯を磨く。

歯ブラシと水を入れたコップ、うがいをした水を吐き出す用の小さな洗面器のようなものを用意してくれて、軽く歯磨き。


たったこれだけのことだが、

「おお、歯磨きできた…」

と軽く感動(笑)



1時を過ぎたあたりだろうか、さすがに眠くなってきて、うっすら寝たり起きたりを繰り返して、23時間くらいは朝まで眠れた気がした。