手術が終わった。


漫画では麻酔で「スウゥ」みたいに少しずつ意識がなくなったり戻ったりって感じだけど、私の場合はパチリと切り替わった。



やや朦朧としていたものの、周りの声も聞こえるし、すぐに状況も理解出来た。


「あ、そうか手術してたんだった」


という感じだ。



裸眼だったので視界はぼんやりしていた。

周りはまだバタバタしていて、血圧測ったり採血したりしていた気がする。



そんな中主治医がやってきて

「検体見ますか?」

と聞きていた。



切り取った大腸は見たいと思っていたが、意識が戻った直後の今?


え、今!?でも見たい!


と思い頷く(まだぼんやりしているので言われていることは分かるが頷くので精一杯)



プレートみたいなものを差し出してくれたが




死角になっていて見えないww




ささやき声で必死に「見えない」と訴える。



先生も頑張って傾けて見せてくれたが

「これ以上傾けるとホルマリンが垂れちゃうから」とか何とか。


頑張って身体を曲げて見ようとした。


そしてピンク色の物体を視界にとらえたものの




裸眼だからぼやけて全く見えねえwww




「今裸眼なのであまり見えません」と言う気力は無く見えたことにして終わらせた笑



お股を確認された時に

「出血があります」

「今生理中」

という看護師さん?同士の会話も聞こえた。



そして手術台からICU用のベッドに

「動かします、せーの」

と数人がかりで身体を移されたのも覚えてる。


術前と同じようにテキパキと複数の看護師さんたち?が動いていた。



それからICUへガラガラと押されながら移動。



そこへ執刀の先生が近づいて来てくれて…


「ストーマ作らなかったから」


とだけ声をかけてくれた。



全力でうんうんと頷いてそれに応えた。

ストマは作らなかったのだ。

本当に良かった朦朧としつつも安堵。




が、ほどなくして全身がガタガタ震え出した。



寒気のようなものがすごくて、こんなに震える?ってくらい震えていた。

手がぶるぶる小刻みに震えて歯がガチガチ鳴るくらい。

電気毛布をかけてもらったがおさまらなかった。



麻酔科の先生が

「麻酔の影響で震えちゃう人いるんですけど、20分くらいでおさまりますからね」

と言ってくれた。


えっあと20分もこのままなん?と絶望。



身体が震えるというだけで絶望とは大袈裟かもしれないが、これが結構辛かった。


恐怖を感じているわけでも寒いわけでもないはずなのに、ガタガタ震えるのをどうしても止められない感覚。


どうしても勝手に力が入ってしまい、脱力出来ない。

自分ではコントロール出来ないのだ。

軽くパニックである。



その時は傷の痛みよりも体の震えがとにかく辛くて、「ハー!ハー!」とひたすら息を吸って吐いてしていた。

息はちゃんと出来てるなとぼんやり考えた。



それから看護師さん同士で

「首に◯◯痕出てきてます」と一言。


えっ何それ。


少ししたら今度は

「◯◯痕、顔の左側にも広がってきてます、気になるな」

みたいなことを言い出して、次々何?何か悪い感じ?と不安になる。



そんなこんなでICUに到着した。