そして二週間後、検査の詳しい結果を聞きにクリニックへ向かった。



順番が来て診察室に入った直後から、何となく「あ、これ良くなかったやつだ」と感じた。



まず、入室後に沈黙の時間があったのだ。


先生は電カルをカタカタ操作しているのだが、何となく私に話す心の準備というか(経験豊富な先生に心の準備も何もないと思うが)、溜めのようなものを感じた。



そして雰囲気がどことなく重い。
目に見えないけど重たい雰囲気って本当にあるのだと感じた。


沈黙は時間にしたらほんの数秒のことだったと思うが、その数秒はこれから聞かされるであろう内容を察するに充分だったと今振り返って思う。


まずは「(前回のポリープ切除後の)出血は大丈夫でしたか?」と聞かれて大丈夫でしたと答える。


それから、


「それでね、大丈夫なんだけどね、」


という前置きで、私の中でさらに確信が深くなった。



その後の一字一句まで正確には覚えていないが、大体次のような説明を受けた。

「切除したポリープを調べたところ、やっぱり中にがんがあったのね。
早期の大腸がんということになる。
で、それがどこまで侵襲(実際は違う単語だった。浸食とかなんとか)しているのかというと・・・」


と、このあたりで紙に図解しながら説明してくれた。






※実際に先生が書いてくれた紙





「大腸には4つの層があって、みずたさんの場合それがここの層までがんが侵襲している(図の黒い丸が私の中にあったがん細胞らしい)

で、日本の基準では1000マイクロなんとかかんたらという単位、1ミリよりもっと小さいくらいだけど、そこまでの侵襲度だったら転移の心配もなく、ポリープ切除で完了でよいことになっている。


でも、みずたさんの場合それが3500マイクロなんとかかんたらまで侵襲しているんですね。
この数字だと、リンパ節への転移が0ではない。
なので、追加処置として腹腔鏡手術をした方がいいと思います。
実際は手術してみたら大丈夫だったという人の方が多いんですけどね。
そんなに難しい手術じゃないです」



というような話だった。



あーーーーーまじか。まじかそうか。


まあしゃーないな、手術してもらうしかないな。
手術すれば大丈夫そうな感じ?


という心境だった。


1000マイクロなんとかならセーブだけど、私は3500マイクロなんとかまで侵襲してると聞いた時はさすがにドキッとした。



便潜血が出てから頭のどこかにその可能性はあったし、
ポリープ切除して中にがんがあるかもと言われてからほぼ覚悟はしていたこともあって、意外と冷静だった。


そして紹介状を書くので大学病院へ行ってくださいとのこと。
手術はクリニックじゃ出来ないもんね。
紹介状を受け取ってこの日はおしまい。



病院は指定されたが、何科に行ってねとか予約とってねとかの説明はなく、
「紹介状書くから待合で待ってて」と言われて、受付で会計と一緒に渡された紹介状に◯◯病院〇〇科と書いてあったので、「てことはここに予約して行けばいいのか」と理解した。



仮にもがん患者なんだからもう少し丁寧に説明してくれてもよくないか・・・?と思ったけどこれが普通?w


まあ先生は優しかったし噂通りのゴッドハンドだったし文句はない。
これからもかかりつけとしてお世話になろうと思う。


ちなみにその30分後、いつもお世話になっている化粧品のBAさんのところへ行く予約もしてあった。
その足で向かっていつも通りに肌診断をしてもらって化粧品を買って帰った。