22日に日経平均株価が史上最高値を抜いた東京株式市場は、その後も戻り売り圧力を跳ね返しつつ続伸し、週末の3月1日には日経平均4万円まで10円の3万9990.23円まで迫った(終値は3万9910.82円)。

 今日の快調さを誰も予測できなかった株式市場では、連日100銘柄前後が昨年来高値を更新している。それどころか、上場以来、株価が100倍以上にもなった銘柄すらある(2月25日付日記:「市場最高値を付けた東京株式市場で34年で株価を100倍にした企業などの創業者企業」を参照)。
 

買値は800数十円だった​

 こうした株を初期に、すなわち安値で買えた方を羨ましく思うが、そこまでいかなくとも株価が10倍になった「テンバガー」を、僕も1つだけ持っている。

 思えば、これは僕のなし得た最高パフォーマンス銘柄だ。

​​​ それは、ハローキティなどのキャラクターで世界的に有名なサンリオだ(下の写真の上=台湾の空港ターミナルのハローキティ待合室;下の写真の下=南アフリカのヨハネスブルク空港のお土産ショップで)。​​​

 

 

 

 僕が初めてサンリオ株を買ったのは、いつだったかはっきり覚えていない。時期は覚えていないが、買値は確か800数十円だったと記憶している。まだ安かったので、他の株を処分した資金で3000株を買った。当時は、売買単位は1000株だったので、3単位だ。


当初の3000株のうち早々と1000株は利食い​

 そのうち1単位の1000株は、1000円を上回った時、はやばやに売却・利食いした。今にして思うと、もったいないことをしたものだ。

 それでも2単位、2000株は手元に残した。

 その後もキティ人気の高まりで、サンリオ株はどんどん上がっていって、ついに3000円くらいをつけた時に1単位、1000株を手放した。まだ上がるかもしれないとは思ったが、これによって手元に残した未処分1000株の買値も回収できたのである。仮に倒産してゼロになっても、決して損はない、という体勢にしたのだ。

 

天国を見る高値と地獄を見る安値の激しい上下繰り返したが​

 その後、サンリオ株は、グラフのように激しい波動を描きながら上昇・下降を繰り返した。

​ グラフはこの30年間の月足だが、1999年に一時、高値7700円をつけた後、1000円を割るほどの激しい下落をみて、2013~14年の一次的回復の後もさらに下落し、長期低迷した。しかしこの間、1度も1000円を割り込まなかった。​

 

 

 この間、2014年だったか、この時は最小売買単元が100株だったので、600株を買い増した。高値で買ってしまったので、その後の長期低迷では含み損を抱えたのだが。

 上記のような株価の下落と長期低迷は、よくあることだ。そんな時にやみくもに損切りしたのでは、その後の回復と上昇に乗れない。サンリオの例は、1度惚れ込んだら、よほどの構造問題が露呈して下落したのでなければ、その株を信じることの大切さを教えてくれる。


世界の子どもたちに愛されるキャラクター抱える​

​ それが、キャラクタービジネスの再興とテーマパーク事業(写真=サンリオ・ピューロランド)がインバウンドの波に乗って快調に推移していることから、再び買いを集め、3月1日には33年半ぶりの高値8677.0円をつけた(終値は8643.0円)。​

 

 

 初期に買い、とっくに焼却し終わった1000株は、今や10倍になろうとしている。その後、高値の時に買い増した株も2倍超となっている。

 世界の子どもたちに愛されるキャラクターの事業に共感して投資してよかったと思っている。


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