アメリカのゴールドマン・サックス(写真)は、このほど東京株式市場の「Seven Samurai(セブン・サムライ、7人の侍)」銘柄を選定した。むろん黒澤明監督の映画『七人の侍』になぞらえ、さらにアメリカ株式市場ではアップルやマイクロソフトなど「GAFAM」にエヌビディアとテスラを加えた巨大ハイテク7銘柄を「マグニフィスント・セブン」と呼ぶのに倣ったものだ。
高い流動性や高パフォーマンスでスクリーニング
ゴールドマンの選んだ条件は、以下の3つという。
①日本で最も流動性の高い銘柄(1日平均売買代金5000万ドル(約150億円)以上)、
②年初来と過去12カ月の株価パフォーマンスがトップクラス、
③2020年以来営業損失もしくは当期純損失を計上していない、だ。
この結果、スクリン(7735)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ(7203)、SUBARU(7270)、三菱商事(8058)が選定された。
SBGやソニー、キーエンスなどは選ばれず
意外なのは、セブン・サムライに、ソフトバンクグループ(SBG)、ソニーグループ、キーエンス、ファーストリテイリングが挙げられなかったことだ。
SBGは、23年3月期に純損失を出してしているから、③から外れた。ソニーグループ、キーエンス、ファーストリテイリングは、この1年のパフォーマンスは、他と比べて見劣りする。
だから、なのだろう。
そしてアメリカの「マグニフィスント・セブン」と比べて最大の違いは、非IT関連銘柄が3つも入っていることだ。トヨタ、SUBARU、三菱商事、である。
トヨタとSUBARUは、自動車大国の日本を象徴する銘柄だし、三菱商事は世界に冠たる5大商社のトップで、ウォーレン・バフェット氏のお好みの銘柄である。
これが、日本の独自性なのだろう。
スクリン、ディスコ……聞き慣れないが
セブン・サムライの中で、一般の人になじみのない銘柄に半導体装置メーカーのスクリンがあるが、この1年で株価は4倍近くになっている(図)。保有者はホクホクだろうが、これからも好パフォーマンスをたたき出せるかは分からない。PERは30倍くらいになっていて、割高感が強い。
さらに半導体関連銘柄であるシリコンウエハ切断装置のディスコ(写真=本社)、半導体製造装置の東京エレクトロンは高株価で、最低単元を買うにも400万円前後が要る。
有望だとは分かっていても、僕たちには指をくわえて見ているしかないのが寂しい。
昨年の今日の日記:「小惑星『りゅうぐう』のアミノ酸はL型とD型が同量だった、生命材料の宇宙起源説に不利なデータ」