あと年内も残りわずか。

​ 夏場にはひょっとすると年内に日経平均株価は史上最高値を振り替えるのではないか、と一部に期待されたが、その後、秋に調整を入れて、すぐに持ち直しはしたが、いまだに3万3000円台だ。一部から寄せられた期待は、来年以降に持ち越されそうだ(写真=東証)。​

 


34年前の大納会の日が史上最高値​

​​ 日経平均高値は、機関投資家、個人投資家を含めて、もう記憶することも少なくなったバブル経済崩壊前の1989年12月29日、「大納会」の日だ(下の写真の上=活況に湧く大納会。当時は「場立ち」という証券各社の営業マンが立会場で売買を取り次いでいた;下の写真の下=大納会の午前10時頃のボード)。終値3万8915円87銭は、翌年への期待感を持たせる高値だった。​​

 

 

 

 おそらく投資家の誰一人として、これが史上最高値として断崖絶壁のように長く立ちはだかるとは思わなかったはずだ。年明けには、多少の調整を入れつつも、4万円台載せを達成するだろうことを疑わなかったのだ。

 しかし、その後、日経平均はつるべ落としで急落に次ぐ急落で、とうてい史上最高値奪回など夢語りの相場となった。
 

世界各国市場は新高値​

 今年に入って、武漢肺炎の収束と秋からのインフレの収まりを見て、アメリカはじめ世界の金利はピークアウトし、下げ基調をたどっている。ニューヨーク・ダウを初め、ドイツ株価指数(DAX)、インドSENSEX指数など、世界的に新高値を取っている。

 日本だけが出遅れる理由は無い。

 バブル期高値は、まさにバブルのたまもので、日経平均はPER(株価収益率)60倍ほどまで買い上げられた。現在は、14.5倍程度であることを考えると、信じられないほどの割高さであった。

 その後の株価大暴落という調整は、日本の株価が世界のマーケット並みに落ち着くための痛みだった。
 

成るか、日経平均新高値3万9000円​

 現状は、日本の株価は世界的に見て割安感が強い。アメリカ株のPERは平均で23倍程度で、日本株が15~16倍程度にまで買われてもよいという意見は強い。

 それが、ニューヨークほどに力強く上がっていかなかったのは、ひとえにアメリカの金利高懸念と景気後退懸念が頭を抑えていたからだ。

 しかし最近のニューヨーク株価の堅調ぶりは、その懸念が薄れていることを示している。

 とすれば、来年は、いよいよ日本株の史上最高値奪回の期待は見えてくる。

 来年も日本の企業業績は堅調と見込まれ、するとPERはさらに低下する。PERの低下は、投資家の買い意欲を刺激するから、仮にPERを15倍程度としても、来年末までに日経平均3万9000円も無理なく達成できると見られる。
 

昨年の今日の日記:「世界の大学生が「眠っている」時代、歴史を動かしたあの熱気はどこに?」