​ 束の間の一時休戦が破れ、また戦闘が再開されたガザだが、実はこの戦争を金儲けに利用していた輩がいたらしい。しかも不正な手段で(写真=空爆で破壊されたガザ)。​
 

 

攻撃5日前にイスラエルETFに大規模空売り​

​ 12月6日付日経新聞が報じたところによると、アメリカの大学教授でSEC(アメリカ証券取引委員会)委員を務めるロバート・ジャクソン・ジュニア氏が4日に公表した論文で、イスラム原理主義テロリストのハマスなどがイスラエルに一斉攻撃を仕掛けた10月7日の前に、ニューヨーク株式市場でイスラエル株の大規模な空売りが行われていたという(写真=ニューヨーク証券取引所)。​

 

 

 同氏の論文よると、イスラエル株で構成される上場投資信託(ETF)「MSCIイスラエルETF」への空売りが、攻撃の5日前の10月2日に急増したという。
 

イスラエル国内でも?​

 当局に報告された同ETFの2日の市場外取引のすべてが空売りだったという。

 リーマン・ショック時や武漢肺炎禍などの過去の急落場面を大きくしのぐ規模の空売りで、「偶然ではほぼあり得ない」と同氏は指摘した。

​ イスラエル国内でも、大規模空売りは行われた気配がある。例えばテルアビブ証券取引所(写真)に上場されているイスラエル大手銀行レウム銀行は、9月14日から10月5日までの間に空売りが急増し、それまでの1.5倍に膨らんだという。​

 

 

 

 イスラエル当局もこの疑わしい取引を把握し、調査に乗り出したという。
 

モサドも察知できなかった一斉テロ攻撃を誰が事前に知っていたか​

 ハマスなどイスラム原理主義テロリストの10月7日の大規模攻撃は、イスラエルの情報機関モサドも把握していなかった不意打ち一斉攻撃だった。

 この攻撃で、一時はテルアビブ証券取引所に上場するイスラエル株は、平均で10数%も急落した(今は多少持ち直したが、攻撃前に戻っていない)。

 つまりジャクソン・ジュニア氏も指摘するように、この不意打ち一斉攻撃を事前に知っていた者が大規模空売りを仕掛けた容疑が濃厚だ。空売りした奴は、最も下げた時を見計らって売った分を買い戻せば、差が儲けになる。
 

不正な輩に厳罰を​

 空売りしたのは、誰か。まだ特定されていないが、ハマス側の高度の機密を知り得る者、そして多額の資金を投じられる者は限られるだろう。ハマスの最高幹部、としか考えられない。イランは、攻撃を事前に知らされていなかったようなので、この際、容疑者から除外していいだろう。

 このような不正行為を放置すれば、今後も、テロの脅威に迫られている国への不意打ちテロ攻撃と大規模空売りが行われる懸念がある。

 金儲けに国家の安全保障や人の生命をももてあそぶ輩に、厳罰で対処してほしい。

 

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