札幌2日目の7月4日は、さんざん迷った末、藻岩山登山と決めた。一時は手稲山登山を目指したが、どこから登ったらよいか踏ん切りがつかず、結局、これまで4~5回の登山歴のある藻岩山(標高531メートル)に、その日の朝に決めたのだ。
 

始発バス乗り場で登校の高校生の行列にかち合う​

 ホテルのすぐ近くにコンビニがあるので、ペットボトルのお茶とお握りなどの食料を買い込み、地下鉄で円山公園駅に着いた。

 2番乗り場と聞いていたので、そこに向かうと、高校生の長蛇の列。午前7時40分頃で、高校生の登校時間に当たったようだ。蛇がとぐろを巻くように、何重にも折り重なる形で列を作っている。その列は秩序正しく、高校生たちもダラダラしていない。

 この長い列の後ろに並ぶのか、と絶望的になったが、高校生の列の脇に、高齢者たちが別に並んでいる。聞くと、一般者の列で、高校生より優先して乗れるのだという。
 

市立旭丘高校生と一緒​

 この高校生はどこの高校なのか、と僕の前のおじいさんに聞くと、旭丘高校だという。市立旭丘高校か、道理でダラダラすることなくきちんと整列しているはずだと納得した。市立旭丘高校は、札幌市内でも札幌南、札幌西、札幌北に次ぐ、有数の進学校なのだ。

 高校生たちで満員の前のバスが発車して、ほどなく次のバスが来た。僕たち一般客は、彼らより優先して乗れ、その次に高校生の列が次々と乗り込んできた。

 目的地は、慈恵会前バス停で、午前8時ちょっと前にバス停に着くと、高校生たちも全員がここで下りた。
 

巨木の茂る原始林の間を歩く​

 藻岩山登山者は僕だけのようで、そこから慈恵会という社会福祉施設を左に見つつ坂を登っていくと、3分ほどで登山口入口に着く。入口の左に水飲み場とトイレが設置されている。ちなみに藻岩山で山頂のロープウエー駅まで、途中に水場もトイレもない。必要なら、ここで用を足すしかない。

 一方、登山口の右に駐車場があり、朝8時だというのに、すでにほぼ満車だ。どうやら登山者はみんなマイカーで来るようなのだ。

​​​ 登山口から登って行くと、すぐに周りは深い藻岩山原始林である。ハリギリ、カツラ、ミズナラ、ホウノキ、ボダイジュなどの大木がびっしりと生えている(下の写真の上)。カツラの木だろうか、巨木がからまってオブジェのようになっている(下の写真の下)。

 

 


 これらの古木は、開拓使が置かれる前の明治前の原野の札幌を見下ろしていたに違いない(写真=北海道開拓の村に復元された開拓使庁舎)。​​​

 

 

 この自然林を歩くだけでも、藻岩山に登る価値はある。
 

「日本初のスキーリフト跡地」の遺構に​

 なおこの自然林は、円山(標高226メートル)の自然林ともつながっていて、大正11年(1922年)の国指定天然記念物に指定されて以来、ずっと保護されている。だから北海道開拓以前からの樹齢200年クラスの木もたくさんある。

​ 森を登ってくと、20分ほどで「日本初のスキーリフト跡地」の看板と遺構にたどり着く(写真)。ほぼ3分の1を来た勘定だ。

 


 

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