​ ロシア侵略軍のウクライナ侵略作戦を統括する総司令官のアレクサンドル・ドボルニコフ(写真=プーチンと共に)が失脚したのではないか、という説が出ている。​

 


 

ロシア侵略軍総司令官のドボルニコフが失脚か​

 アメリカ紙「ニューヨーク・タイムズ」は5月31日、ドボルニコフの姿が過去2週間確認されておらず、任務を続けているかどうか、アメリカ当局者の間で臆測を呼んでいると報じた。

 4月上旬に任命されたばかりだが、陸軍と空軍の連携強化に失敗し続けているという(4月12日付日記:「残酷なドボルニコフを総司令官に任命しドンバス攻略にかけるロシア侵略軍、ウクライナ防衛軍との間に第2次世界大戦以来の大激戦か」を参照)。

​ ロシア軍部の動向を調査するロシア独立系団体「CIT」は、総司令官が軍政治総局長ゲンナジー・ジドコ(写真)に交代したとの分析を明らかにした。ジドコはドボルニコフと同様、シリアでの残虐な空爆などの軍事作戦の指揮経験があるという。​

 


 

ロシア国債のデフォルト決定​

 そのロシアが、ついに国際金融市場から完全に排除された。

​ 世界の大手金融機関でつくるクレジットデリバティブ決定委員会が1日、ロシア国債が支払い不履行になったとの判断を示した(写真=ロシア中銀)。​

 

 

 問題になったのは4月4日に満期になった国債だ。当初、ロシア側はアメリカの銀行にあるドルで元本と利息を払おうとしたが、アメリカが金融制裁でドル支払いを認めなかった。このためロシア財務省は、デフォルトを回避しようとルーブルで支払おうとしたが、債券保有者が拒否、やむなくロシア財務省はドルをかき集めて、30日の猶予期間が切れる寸前でドルで償還した。
 

たった190万ドルの利子支払いができずに​

 この段階で、いったんはデフォルトは回避されたが見られたが、一部の投資家が、当初の支払期日の過ぎた猶予中の利子約190万ドル(約2.4億円)が支払われておらず、デフォルトに当たると同決定委員会に審査を求め、その結果、委員会は支払い不履行と認定したのだ。

 たった190万ドルを支払わなかった(won't)のか、支払えなかった(can't)のか、ともかくも国際金融市場から完全に閉め出されることになった。
 

国際金融市場の信用毀損の後遺症は大きい​

 今は原油高・天然ガス高で潤っているが、そのうち原油も天然ガスも国際市場で売れなくなる。もしウクライナ侵略戦争を止めて経済立て直しを図っても、国際金融市場でロシア国債を売れなくなる。

 非プーチン政権になっても、この信用毀損はずっと響き、ひょっとすると10数年は外貨建てで起債できない可能性が高い。信用度の低いルーブル建てなら、海外投資家は誰も買わない。

 これは、ロシアの将来の復興にとって大きな足かせになるのは必至だ。
 

昨年の今日の日記:「不屈の古参ボルシェヴィキ、2度のシベリア流刑を生き抜き、スターリン批判に結び付けた女性闘士、オリガ・シャトゥノフスカヤ:前編」