日本人のほとんど、8600万人(2020年10月現在)もが利用するLINEは、個人ばかりでなく、今や政府や自治体、企業も諸手続や広報に使う重要なツールである(写真)。
韓国企業の子会社だったが
そのLINEが、システム管理を委託していたスターリニスト中国の企業の技術者にユーザーの名前やメールアドレスといった個人情報に加え、トークや写真も閲覧できる状態だったことが分かり、政府や自治体、企業などは利用停止に大慌てとなっている。
LINEは、僕も友人との連絡で使っているけれど、重要な情報はやりとりできない、とあらためて痛感した。
もともとLINEは韓国企業の子会社で、重要なデータは韓国にも保存されている。
それが、今度はスターリニスト中国となれば、一気に身構える。
スターリニスト中国は国家情報法で国民と企業に情報スパイを強要できる
それは、スターリニスト中国では2017年に国家情報法が施行され、中国国民や企業などは無条件に国家、中国共産党の要請で情報を提供する義務があるからだ(写真)。アメリカなど自由主義国がファーウェイなどのスターリニスト中国企業を自国から排除するのは、この法律があるからだ。
今のところ、LINEのスターリニスト中国委託先の企業や技術者が、スターリニスト中国当局から情報提供を要請されたことはない(したがって情報を漏らしたこともない)、とされている。
しかし、相手はスターリニスト中国とその国の共産党の牛耳る企業である。どこまで本当かは、分かったものではない。
信用できない弁解
例えば政治家でもLINEを利用している人は大勢いるはずだが、安易にLINEで機密情報をやりとりしていれば、いつ、スターリニスト中国の意を受けた協力者に情報を盗み見られ、当局に通報されるか分からない。
これを機に、責任ある政治家や経済人はLINEを止めるだろうが、けっこうこの便利さに慣れると、なかなか勇気がいる。また一般ユーザーには、画像送信や通話もタダでできるのは、極めて便利だ。
スターリニスト中国の企業を信頼すべからず
僕の親族で、カナダにいる女性がいるが、彼女は日本の友人や兄弟、親と無料の国際通話を楽しんでいる。
一般人は、金融関係の口座情報やパスワードなどをやり取りしない限り、神経質になることはないとも思うが、これをきっかけにシステム関係の下請けにスターリニスト中国企業を使うことに、日本企業ももっとナーバスになって欲しいと思う。
LINE問題は、スターリニスト中国企業を情報処理の下請けに使うリスクを白日の下にさらした点で意義はあるだろう。
昨年の今日の日記:「世界株安・原油安・REIT安……武漢肺炎で大恐慌の入口に立つ世界(前編)」