​ 近くの道ばたの緑地に、ビロードモウズイカが大群落をつくって咲いている(写真)。コメツブツメクサが終わろうとする今の時期、ワイルドフラワーの主役交代の感がある。

 

 


 別名ニワタバコとも言われるが、むろん外来種、帰化植物である。花が美しいから、日本には明治時代、観賞用として移入された。それが、いつの間にか野草化し、外来種らしい強靱さで、ほぼ全国に広がった。
 ビロードモウズイカは、薬草にも利用され、ハーブとしても役立つそうだ。
 僕はジョギング中に、この群落に出会うと、疲れが癒やされる思いとなる。​


週間で1500円近く騰げ、200日移動平均線を突破​
 話し変わって、株価回復が堅調である。先週は、金曜日こそ微落したが、4日間は大幅高で、週間では1500円近い、投資家や経済評論家が誰しも想定しなかった急回復を演じた(チャート図)。

 


 26日火曜日に勢いを付けて2万1000円を回復すると、28日には200日移動平均線もあっという間に突き抜け、29日は2万1877円で引けた。この日、一時は200円近く下げたが、引けにかけ急速に下げ幅を縮め、たった38円安まで戻したのだ。
 200日移動平均とは、この約1年間の投資家の買い値平均に近い。これを上回れば、だいたい持ち株がプラスになったことを示し、先行き強気相場となる傾向がある。
 今年2月末から始まった武漢肺炎パンデミックを悲観しての大暴落で、日経平均は3月19日に1万6358円と3年半ぶりの安値を付けた後の回復である。​


恐れていた二番底は来ない?​
 この間、株価が少し回復しても、武漢肺炎パンデミックがヨーロッパからアメリカに拡大し、大都市が相次いでロックダウンされるや、誰もが1世紀前の大恐慌の再来に恐れおののいた。
 僕もまた、東北地方農村で女の子が売り飛ばされた昭和恐慌の時のような現世代が決して見たことのない大不況の到来を覚悟した。
 3月中旬の大暴落は、それの予兆だと考えた。
 4月に入って多少値を戻しても、さらに深い二番底の到来に恐れた。
 普通、二番底は、最初の底値から2~3カ月後に訪れる。しかし株価は、二番底どころかついに2万円台回復、そして2万1000円台を奪回し、今、2万2000円を指呼の間に捉えている。


大暴落で悪材料はすべて織り込んだか​
 過去の経験則と、経済の「死」を目にした投資家たちは、二番底に備え、持ち株の叩き売りと株を借りての信用売りに走った。
 しかし、(まだ分からないが)どうやらその思惑は外れそうである。
 どうして株価は二番底をつけにいかないのだろうか?
 1つの説明は、2月から3月中旬にかけての1カ月の暴落で、株価はすべての悪材料を織り込んだのだ、という。売りたい人、売らなければならない人は、すべて売った。
 となると、後は少しの買いでも騰げていくだけ、となる。


「悲観の中に生まれ、懐疑の中で育つ」か、株式市場​
 逆に株価は半年、1年後を予見しているという通説に従えば、大恐慌以来の大不況は避けられそうだ、という明るい見通しが出てくる。
 アメリカの著名な投資家ジョン・テンプルトン(写真)の有名な言葉がある。「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」。

 


 今、懐疑の中で育ちつつある入口なのかもしれない。
 そうであることを、強く願っている。大不況は、誰にも不幸しかもたらさないから。​

 

昨年の今日の日記:「アメリカ、今度は中国製地下鉄車両を排除、『安全保障上の脅威』理由に」