これほど予測が楽チンだったノーベル賞もなかった。
 スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、アインシュタインが100年前に予言した「重力波」を初めて直接観測した国際研究チーム「LIGO(ライゴ)=写真」を率いたレイナー・ワイス・マサチューセッツ工科大名誉教授(85)、バリー・バリッシュ・カリフォルニア工科大名誉教授(81)、キップ・ソーン同大名誉教授(77)の3人(いずれもアメリカ)に贈ると発表した。

 


 重力波は、質量を持つ物体が動く際に生じる時空のゆがみが、波のように宇宙に伝わる現象。アインシュタインが1916年に一般相対性理論で予言した。
 また昨年末の12月29日の日記「2016年、kawanobuの選んだ10大ニュース」で、僕は2番目に挙げ(「②重力波、初めて検出の発表;2月11日」)、この文末で「来年度(つまり今年)のノーベル物理学賞の受賞は、まず当確。」と締めた。
 近年、ノーベル物理学賞は、物性物理と宇宙・素粒子が交互に授賞する傾向が顕著なので、今年は宇宙・素粒子の番であり、だとすれば重力波の初検出しかないからだ。
 したがって日本人研究者の出番もない。来年度、物性物理で期待。
 なお、16年2月16日付日記:「重力波天文学の夜明け;アインシュタインの予言、アメリカの施設で100年目の実証」も参照されたい。