昨日の都知事選、ほぼ予測したとおりの結果になった。やや予想外だったのは、小池百合子氏の圧勝ぶりだった。
 当選 小池百合子 291万2628票
 次点 増田寛也   179万3453票
 圏外 鳥越俊太郎 134万6103票
 小池氏は、自公推薦の増田氏に100万票以上の大差をつけ、さらに「淫行疑惑」の鳥越にダブルスコアの上にさらにお釣りがくるほど、足下にも寄せ付けなかった。


自民支持層と無党派層の過半をとった小池氏
 NHKの出口調査によると、政党支持率3分の1の自民党から50%以上、自民支持と並ぶ無党派層からも50%以上をとった。つまり3分の2の層の過半数を固めたわけで、これでは増田氏とて勝てない。
 増田氏を立てて敗れた自民・公明陣営は、党の方針を蹴って立候補したからと、当選した小池百合子・新知事をいじめないでほしい。小池氏は、自民党の長い衆院議員だったのだし、東京都民の圧倒的負託を受けての当選なのだから、一丸となって2020年東京五輪の大目標に驀進して欲しい。そして大都市の共通の問題である待機児童問題の解決などにも。


都知事選投票日前夜に岡田、代表選不出馬の発表
 それにしても、呆れてしまったのは、都知事選投票日の前日の30日夜、民進党代表の岡田が、9月の代表選に不出馬、と唐突に発表したことだ。
 参院選後、これまでメディアから何度も「代表選に出馬するのか」と質問されても、いつも判を押したように「白紙」と言い続け、しかし再出馬の意欲は満々、と周囲の誰もが疑わなかったのに、だ。
 おそらく都知事を通じ、最初は週刊文春が、次の週には週刊新潮が、鳥越の淫行疑惑を報道し、そのたびに無党派層の支持が潮を引くように失われていくことを、肌で感じ、大敗の責任を問われることを恐れ、12時間前に突然の公表になったのだろう。


究極の敵前逃亡は鳥越擁立の責任の取り方か
 究極の敵前逃亡である。もっとも自軍の「玉」が薄汚れたゲス野郎で、とうてい都知事の器で無いことに途中から気がついた岡田が、それなりの責任の取り方をしたのかもしれない。これで都連から、悪罵を投げかけられることも回避したつもりなのだろうが、鳥越俊大敗を受けて都連の松原仁会長は、投票日前夜の不出馬を厳しく批判していた。
 ちなみに都内では10%前後しかいない民進党支持者の鳥越への投票は40%ほどに留まったのは、いかに鳥越が嫌われていたかを示すもので、その嫌われ者を最後まで担がざるを得なかった民進党中央のアナクロ感覚は救いがたい(共産党支持者でも鳥越への投票は60%に低迷した。スターリニスト党にしては珍しい歩留まりの悪さである)。
 それにしても猛暑の中、不本意にもゲス野郎の支持にかけずり回った民進・共産の下部の皆様、ご愁傷様でした。


珍し、石の門をくぐる
 さて、エチオピア紀行である。ファジル・ゲビの丘をあとにした後、石の門をくぐり抜けて、僕たちはデブレ・デルハン・セラシエ教会に入った。
 欧米の教会は、迷える者は誰でもウエルカム、というのが、信仰の根本原理だから、門などない。エチオピア正教は異質なのか、と思った。
 もっともそれは、誤解だった。その後、ラリベラでもアクスムでも、そして首都アジスでも、エチオピア正教教会には塀など無かった。
 かつて南スーダンからなだれ込んできたイスラム教徒の破壊活動からの防護なのだろう。


壮麗でも大きくもないが
 デブレ・デルハン・セラシエ教会は、さほど壮麗でも大きくもない(写真)。


デブレ・デルハン・セラシエ教会

 例によって靴を脱ぎ、ダニ予防にビニール袋で足を包み、中に入る。中は、暗い(写真)。


教会内部

 この教会を有名にしているのは、ゴンダール王朝のイヤス王に建立されたこと、そして天井をびっしりと覆う天使の壁画である(写真)。


天井画天使像

 顔だけが描かれているが、視線が見ているのは全方位だ。神の力はあらゆる方向を向いているという意味だそうだ。
 エチオピア正教の教会に入るのは、タナ湖のウラ・キダネミレット修道院の教会に次いで2つ目だ。そして当然なのだが、宗教画の顔は欧米とかなり違う。エチオピアの主流民族であるアムハラ人の顔である。


白馬に乗った聖ゲオルギウス
 そしてここでも見かけた白馬に乗った聖ゲオルギウス。これもまた天使と同じ顔だった(写真)。


白馬に乗った聖ゲオルギウス

 内部は暗く、そしてもちろんフラッシュはノー。それでもしっかり固定すると、暗いながらに写った。


昨年の今日の日記:「バルト3国紀行30:夏の湿原の蚊と幸いにも蚊の襲撃を免れたバルト紀行;紀行」