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 欧州合同原子核研究機関(CERN)が4日に発表したヒッグス粒子と「みられる」新たな素粒子を発見したという報に、久しぶりに興奮した。

捕捉しにくい粒子、99.9999%以上の確率で捕まえた!
 東大など日本の16の大学・研究機関も含め、37カ国・約2900人もの研究者の参加する「アトラス」と欧米のCMSの2つの国際チームが、99.9999%以上の確率で新素粒子を捕まえたからだ。新素粒子は、1周が約27キロと山手線並みもある超大加速器「LHC」(08年に稼働開始)で光速に近く加速した2つの陽子をぶつけて現れた。
 ただヒッグス粒子の確認は、困難を極めた。昨年も一時、確認かと騒がれた。昨年は、約500兆回もの陽子同士の衝突を繰り返したという。それでも見つかる確率は1兆分の1ほど。生成されたヒッグス粒子は、すぐに壊れて他の粒子に変わってしまうからだ。
 それが、今回、ほぼヒッグス粒子を捕捉した。CERNは、まだ「みられる」と慎重だが、99.9999%以上という確率からみて間違いはあるまい。

最後に残された17番目の「未踏峰」
 1970年代半ばに確立した物理学の標準理論によると、宇宙に存在するすべての物質は、究極的には17の素粒子から成るという。陽子や中性子などを構成するクォーク6種類、電子やニュートリノなどのレプトン6種類、素粒子の相互作用をもたらす粒子4種類は、すでに確認されている。最後まで残った未確認粒子がヒッグス粒子である。物質を構成する他の素粒子と異なり、素粒子と物質に質量(重さ)を与えている素粒子がヒッグス粒子だが、前述のように確認は困難を極める。人工的に作っても瞬時に消失するからだ。
 そもそもヒッグス粒子の存在自体は、1964年にイギリスのピーター・ヒッグス博士によって存在が予言されていた。
 その間、最後の「未踏峰」に向けて世界中の素粒子物理学者が結集した。それだけに今回の発表は、物理学のみならず自然科学を愛するすべての人たちを奮い立たせるに十分だった。もっとも「世界で2番ではダメなんですか」とほざいた蓮舫のようなおバカには、我々の生活にすぐに役に立たないから、今回の意義は全く理解できないだろう。
 おバカな蓮舫さん、お願いだから、科学者のこうした努力に水を差さないでね。

ヒッグス粒子生成で素粒子に質量が与えられ、物質が出来た
 ヒッグス粒子がこれほど注目されたのは、標準理論で予言された最後の素粒子というばかりでなく、これが我々宇宙の始まりを作った最重要な粒子だからだ。
 今から137億年前、ビッグバンで我々の宇宙は生まれたが、最初は光だけで何もなかった。素粒子は質量もなく、ただ光速で飛び回っていたので、存在しないも同様だった。
 ところがビッグバンの100億分の1秒後に、ヒッグス粒子が生まれて目に見えないほど極小の宇宙を満たした。このヒッグス粒子のおかげで素粒子は動きを阻まれ、質量が備わった。
 質量が備わったことで、減速した素粒子同士は集まりやすくなり、ここに水素原子核が生まれ、超高速で膨張する宇宙の中でやがて星が生まれる。まさに我々の「世界の始まり」である。
 ヒッグス粒子のおかげで、炭素など様々な原子で構成される生命体も生まれた。まさに万物の創造の母である。ヒッグス粒子の発見とは、そのような物理学の基礎の基礎の最重要のトピックなのだ。
 本日は、恒例の南米周遊を休載して、現代史を書き留めていくリブパブリ日記の役割として、ヒッグス粒子発見を掲載しました。
 なお写真は、クスコの街。上からサント・ドミンゴ教会(コリカンチャ遺跡)から見たクスコ市街地、小公園に建つ聖母子像、そしてラ・メルセー教会・修道院。

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