kawanobu日記/主権と領土を売り渡したボケ菅政権が引いた日本植民地化の第一歩への引き金 画像1

 昨日、日中によもやのニュースをネットで受け、一瞬、固まってしまった。尖閣諸島沖で不法操業し、海上保安庁の巡視船に衝突をしかけ、公務執行妨害で逮捕されていた中国人漁船船長を、「今後の日中関係を考慮して」処分保留で釈放するというニュースである。事実上の無罪放免、である。
 夜のNHKニュースでは、さっそくこの船長を迎えるチャーター機が那覇空港に到着するという。帰国したら中国で、愛国の英雄として迎えられるに違いない。

叩けば簡単に屈服する国、と証明してしまった愚かさ
 ついに無理が通って、道理が引っ込んだ。日本は、叩けば簡単に屈服する国、尖閣諸島で違法操業しても文句は言わない国、次は中国漁民を尖閣諸島に上陸させ、自国民保護の名目で艦艇を送ってもOKの国、とスターリニスト国家に思わせた。第二次世界大戦後、領土を拡大してきた国は中国だけ、という事実をボケ菅たち、政治のシロウトは忘れている。それが、恐ろしい。
 日本は、かくして主権と領土を中国に売り渡してしまった。ボケ菅政権の屈服は、今後100年の対中屈従外交の始まり、となろう。暗然たる思いである。昨夏の日本国民の安易な選択が、国家を誤らせた。それがまさにこういう形で露呈しようとは――。
 これは、21世紀のミュンヘン協定の再来である(ナチ・ドイツの無理難題の要求に対して、第一次世界大戦の再来を恐れた英仏が屈して、チェコスロバキア領だったズデーテン地方を当該政府の頭越しに勝手に割譲した取り決め)。この愚挙を先導したと思われるボケ菅と前原は、「売国奴」として歴史に汚名を残すことになろう。
 日本が得意なハイテク製品に不可欠なレアアースの輸出停止、日本企業フジタの4人の拘束と、矢継ぎ早になされたスターリニスト中国の対日恫喝攻勢は、かくて日本の全面的敗北で終わった。
 しかしこの2つの出来事から、ノーテンキな日本人もはっきりと認識したであろう。資源や市場を中国に依存するリスクを――。

不当な・非道な要求に屈服した汚名を刻む
 言うまでもなく民主主義国では、対外紛争においては国内の議会野党の反応や有権者とマスメディアの批判を意識し、抗議手段は自ずから理性的な形で抑制される。また、相手国世論の反発と国際的批判を意識し、他国領土を勝手に自国領だと決めつける非道なことなどしない。ところが国内に野党も批判的メディアもない独裁国では、自らの思い込みに過信し、暴走する。
 スターリニスト中国は、そのプロセスの罠に落ち込んでいたはずであった。
 こうまで非道理を繰り出す中国の態度は、司法も共産党の指導下にある中国が日本の法治主義の原理を理解できないからでは、という擁護論もあったが、このような非道を連日、これでもかこれでもか、と繰り出すのは、むしろそれを承知の上でのごり押し、汚沢一郎の「拝謁外交」の結果、朝貢国に転落したとみなす国への当然の無理無体な要求だと認識すべきなのだ。したがって、決して屈してはいけなかった「経済戦争」であった。なのに首相のボケ菅と外相の前原は、屈した。長く歴史に汚名を刻みつけることになるだろう。

中国依存の危険性はっきり
 レアアースの輸出停止は、日本が需要の97%近くを中国に頼る危険性を浮き彫りにした。スターリニストどもはこれで日本のアキレス腱を突いた思いだろうが、これは中国から見ても自国の輸出産業を危機に陥れるリスクもはらむ危険な作戦でもあった。ちなみにレアアースを独裁国の中国に依存する危険性をリブパブリはすでに3年以上前に、あるSNSの日記で指摘していた。
 輸出停止は、日本のハイテク産業にとって一大事態の勃発かもしれないが、長期的には代替素材の開発とレアアースを使わない技術開発を促し、また中国依存をやめて、第三国の資源開発と輸入努力に注力させることにつながる。さらに国内には過去に輸入して廃品となった製品の「都市鉱山」に、豊富な埋蔵量がある。ここからの回収努力にも、拍車がかかる。

レアアース、迂回輸入でいくらでも手に入れられた
 それまで当面に必要なレアアース資源は、在庫と第三国を経由しての迂回輸入で間に合うはずだったのだ。
 例えば中国の生産者は、顧客の日本を失うことになるので、代わりにレアアースを香港に輸出し、それを例えばASEAN諸国に流せば、もうそれから先に日本に流されても胡錦濤一派にはどうしようもない。中国の生産者にしても、民営企業である以上、政府の手前、大っぴらな抜け荷はできないだろうが、香港に輸出した先がどこにレアアースを再輸出しようと、目くじらをたてる理由はない。売れなければ、倒産リスクを負うのは、自分たちなのだ。「上に政策あれば、下に対策あり」の国柄でもあるし。
 幸いにも今の中国は、旧ソ連のような生産も貿易も国家独占だった社会主義経済ではない。社会主義という枕はかぶせているが、実態は市場経済なのである。レアアース禁輸に大騒ぎをする必要はなかったのだ。

イラク、フセイン政権並みの理不尽な「人質」
 後者のフジタ従業員4人が河北省の軍事管理区域に侵入したとしての拘束は、中国人漁船船長と交換するための人質にするためだったと理解される。私は、拘束の報を知り、かつて湾岸戦争で「人間の盾」とするために、日本企業社員がイラクのフセイン政権に大量に抑留されたことを思い出した。
 中国当局は、軍事施設を撮影していた疑いがあると言っているようだが、これなどどのようにでも言いがかりをつけられる。ただの記念撮影でも、背景が軍事施設だと言えば、それで通ってしまうのが独裁国の流儀なのだ。
 しかも、あまりにも人質であることが露骨なために、日本は世界に不法を訴えればよかったのだ。しかしかつて日本赤軍のハイジャックで、「1人の命は地球より重い」とのたまわって、受刑中の赤軍派メンバーを超法規的に釈放した国である。当時の自民党よりもっと軟弱だとみなされていたバラマキスト民主党政権には、人質を取られても突っ張り、世界に救出を訴えるという正道を思いもよらなかった。

独裁政権を救った大罪
 この中国当局の不当拘束は、日本と海外企業に中国のカントリーリスクをはっきりと知らしめた。政治の都合で、自社従業員がいつ拘束されるか分からないのでは、中国市場に雲霞のように群がった海外企業も、今後はアクセルの代わりに、ブレーキを踏むことになるだろう。
 それは、中国の経済発展にやがて深刻な影響を与えることになる。スターリン主義者官僚どもが、こうも冷静さと自制心を失っているのには、独裁国家特有の胡錦濤と党中央への「忠誠競争」がいっせいに起こっていたことを想像させる。
 ボケ菅政権の愚かな浅慮で、愚かな所にまで突っ走っていた胡錦濤一派は危ういところで救われた。放っておけば、振り上げた拳をますます下ろせなくなり、うっかり振り下ろせば今度は反日愛国共育をたたき込まれた中国人青年の批判が党中央と胡錦濤にふりかかるところだったのに。民主党軟弱政権は、公務執行妨害で逮捕した中国人漁船船長を曖昧な形で釈放したことにより、独裁政権を救うことになったのである
 それが二重の屈辱である。
 来るべき臨時国会で、自民党など野党は、ボケ菅政権の屈辱外交を徹底的に批判し、倒閣につなげてほしい。
 写真は、かつて朝鮮戦争(韓国では「韓国戦争」と呼称)で北朝鮮軍に2度占領されたソウルにある戦争記念館前に作られたモニュメント。2度目の占領では、中国軍もソウルを蹂躙した。ソウルに行かれた方は、共産勢力による侵略の屈辱をぜひここで学んで欲しい。

昨年の今日の日記:「半世紀前、谷崎潤一郎がノーベル文学賞を受賞し損ねた年の受賞者:パール・バック、パステルナーク、ドクトル・ジバゴ」