kawanobu日記/NHK解説委員、影山氏の首つり自死の真相は何?:官房機密費、野中広務 画像1

 NHKの解説委員室副委員長の影山日出夫氏(56歳=写真)が自死した。11日午後5時20分ごろ、渋谷区のNHK放送センター8階のトイレの中でネクタイで首をつった状態で発見され、救急車で都内の病院に搬送され、一時は命は取り留めたと思われたが、12日午後4時40分に死亡が確認された。

日曜討論の名司会者
 影山氏は、76年にNHKに入局し、その後82年から政治部記者となり、政治部副部長などを経て、2000年に解説委員になると、報道番組「日曜討論」のレギュラー司会を務めた。その他、選挙の特番にも、よく出演していた。8日の日曜討論でも、大過なく司会をこなしていた。
 しょっちゅう見ていたわけではないが、時たま見たおりの公正な司会ぶり、わが党はわが党はの主張だけをまくし立てようとする出演政治家の巧みなさばきぶりには、好感が持てた。
 いわば影山氏は、NHKの顔であり、だから突然の自死は一部にかなりの衝撃を与えている。またこの自死をめぐって、今、一部に穏当をかく噂がかけめぐっている。
 それは、小渕内閣の内閣官房長官(98年7月30日~99年10月5日)であった野中広務が、今年、読売新聞の取材で、現職時に毎月計5000万円、最高計7000万円の官房機密費を使っていたと打ち明け、複数の政治評論家にも盆暮れに数百万円単位でカネを配ったと明かした「事件」と関連する。噂とは、影山氏も官房機密費を受け取っていたのではないか、というものだ。

元政治記者の遺書の内容は公表されず
 官房機密費は、使途の明示も領収書も不要の不透明な公金で、野中によると議員の自宅建築費に3000万円、野党議員の北朝鮮訪問に餞別として数十万円と、ともかく理屈のつかない使途が多い。
 読売新聞のインタビュー記事が出た後、メディア業界の政治記者、編集局・編成局幹部がカネを受け取っていたのかいなかったのか、詮索がなされた。いまだに受け取っていたと名乗り出た人はいない。
 影山氏の自死に官房機密費がからんでいたかどうか、確認する術はない。野中が個人名を語っていないし、影山氏が残した遺書2通の内容をNHKが公表していないからだ。
 NHKによると、死者のプライバシーに触れるので公表しないという。しかし影山氏の自死は、いかにも唐突である。また影山氏のポジショニングからも、野中の示唆した「政治評論家」の中に含まれるであろう。

野中に科された「政治評論家」が誰なのかを公表する責任
 もしあらぬ疑いをかけられているのであれば、故人の名誉にかけてもNHKは公表すべきではないのか。「皆様のNHK」の見識が、問われる。
 同時に、中途半端の告白で各界に猜疑の念だけ植え付けた野中も、はっきりと批判されるべきだ。少なくとも野中は、メディア業界の誰にカネを渡したか、実名を公表すべきだ。そうでなければ、いわれのない疑いをかけられて苦しむ人が出る。
 影山氏が、官房機密費を受け取っておらず、別の要因で自死したのであれば、せめて渡した「政治評論家」の実名を公表し、影山氏にふりかかっている汚名をそそぐ責任があると考える。

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