kawanobu日記/軽井沢紀行⑥:汗が吹き出しつつ離山山頂に立つ;長野県110歳「最高齢」男性の年金詐取のカラクリと倫理感の退廃 画像1

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 離山は、標高こそ1255メートルとされているが、そもそもスタート地点の軽井沢が1000メートル近い高原だから、標高差は300メートルほど。初めは、ちょろいものだろうと登り始めたが、登山道までと登山道も手前は、コンクリート舗装されているので、これが膝にきつい。

みるみる減るペットボトルのお茶
 その道も比較的幅広なので、緑のアーケードというわけにいかず、直射日光を浴びる。コンクリートの照り返しも相俟って、登山道に到達した頃から汗が吹きだし、やたら喉がかわく。買ったばかりの冷たいペットボトルのお茶がみるみる減っていく。これから水を補給できる見込みはないので、大事に大事に飲むはめになる。
 登山道入口に、ノートとペンが置いて、記帳することになっているが、見ると前日も誰も名を書いていない。個人情報をさらしたくないのだろうけれど、万一、足でもけがしたら下りられなくなるわけで、これはきっちりと記入した。
 進むうち、やっとコンクリート舗装は終わり、整備された砂利道になった。緑のアーケードも復活し、晴れているのに日射しを浴びないですんだ(写真上)。しかし傾斜がきつくなるので、汗の出るのは変わりがない。すっかりバテバテになった。
 山頂まで1500メートルという標識が出てきて、ホッとする。これで、だいたいの時間の見当がつく。よほどの道でない限りあと30~40分と目星を付け、ペットボトルのお茶を飲む。

眼前でなだらかに裾野を広げる浅間山
 道はよく整備されていて、岩は全く見られない。あと山頂まで数百メートルという所で、コースが2つの別れていた。さてどうしようか、と思案していると、上から人の声がする。英語も混じっているので、日本人が外国人を案内して登り、下山中なのだ。その人に尋ねよう、としばし休憩がてら待っていた。
 下りてきたのは、男性ばかりの3人連れで、1人外国人がいた。どちらからも行けるが、こちらの方が整備されているようですよ、と先頭の男性が教えてくれた。あと10分、と元気づけてくれる。
 斜面を直線的に登る道になって傾斜がきつくなったが、それもあっという間で、5、6分で山頂が見えた(写真中)。山頂には、きっちり国土地理院の一等三角点が設置されていた。そこかしこにミヤマトウキ(?)らしい亜高山植物が咲いている。
 やっと山頂に、立った。正面になだらかな裾野を広げる浅間山が見えるが、この時、残念ながら、山頂付近には雲がかかっていた(写真下)。
 下界に、長野新幹線としなの鉄道、それに街並みが見える。位置関係から判断して、中軽井沢の街並みである。はるか先には霞んでいるが日本アルプスの山並みも見えた。誰も来ない。しばらく休憩しつつ、涼風に吹かれていた。ペットボトルのお茶は、もう残り少なかった。

40年も前の出奔も放置
 今話題の「消えた100歳超老人」で長野県「最高齢」とされる超高齢老人のからくりが、今週号のニュース週刊誌「AERA」に出ていた。なるほど行政と旧社会保険庁は、こんないい加減な対応で、年金を食い物にされていたわけだ。
 AERAの記者に、長野市に住む74歳の老人が応じた。父親が、県内「最高齢」の110歳の男性。ところが40年近く前に家を出て行ったきり(と語る)、行方を捜すでもなく、警察に捜索願を出すでもなく、そのままにしていた。
 その間、父親に出ていた年金をずっと着服し、家を建て替え、子どもが高校、大学に進学する費用など、要するに生活費に全額、流用していた。
 黙っていれば、金が無限に振り込まれてくる。だから市役所から警察に捜索願を出すように促されても放置する。これは、明らかに悪意のある詐欺である。疑えば、父親が「行方不明」になっているというのも、怪しいだろう。推理小説ファンなら、犯罪の影を嗅ぎ取るのではないか。

トンデモ三段論法で詐欺を容認する厚労省
 同誌の記者は、ずっと黙って父親の年金を着服・流用していた男性のインタビュー後、厚労省年金局担当者にも話を聞いている。答がふるっている。父親の代理で年金を受け取ることは、「死亡届が出ていない」受給者の口座に入った年金を家族が引き出して使っても、受給者の了解のもとに使っていると判断できなくもなく……、だ。役所がこう考えているなら、悪意ある者は、死亡届を出しさえしなければ、半永久的に年金を「代理」受け取りできる。
 「行方不明者」(110歳の音信不通の超高齢者ならすでに死亡していると考えるのが妥当だ)に年金を支給していることについての同誌の記者の疑問について、厚労省役人は「『死亡の確認ができなかった』、つまり『生存の確認が取れていた』」と、論理をねじ曲げ(どうしてそうなるのか、リブパブリの頭ではどうしても理解できない。お役人には、特殊な思考回路があるようだ)、こう続けるのである。「『生存の確認が取れていた』方に年金を支給している」ことになるのだという。
 死亡確認がてきなかった→生存確認が取れていた→家族が年金を代理受給し使っても、受給者の了解があるので可能――という見事な詐欺師の論理である。

残った年金額は?
 AERA記者に74歳の男性は、父親宛に来た年金通知書は廃棄し、どうやら返還の意思もないようだ。もう受け取らないと言っているが、記者の「年金はいくら残っているのか」という質問には、話題を変え、答えなかったという。
 これは、もう詐欺という立派な犯罪ではないのか。
 年金詐欺、生活保護詐欺という多数の詐欺師に、日本の財政は食い散らかされ、それをバラマキスト民主党は放置・容認している。財政とともに、日本国民の倫理感もまさに破綻寸前である。

昨年の今日の日記:「八丈島のクワガタの語る遺伝的隔離と進化:ハチジョウノコギリクワガタ、DNA、びんくび効果」